管理職を育てる 環境づくり

第2回 目標を設定する

2015年11月24日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2015年4月20日号

管理職を育てるための環境づくりのポイントについて紹介します。(全6回)

■社長の悩み

 毎年あと少しのところで目標に届かない。事業の成長が停滞している。意思の疎通がはかれず仕事がスムーズに進まない。変化を起こせずマンネリが数年続いている。いま本紙を読んでいる社長のあなたは、そのような悩みに一度は遭遇したことがきっとあると思います。特に多くの社長が抱える課題が管理職の育成です。管理職の育成とは、「管理職を育てること」ではなく「管理職自ら育つ環境をつくること」です。

■管理職の育成を左右するもの

 「管理職に任命したが成果を上げてくれない」、「管理職なのに部下の面倒を見てくれない」。これは私が多くの社長からよく聞く言葉です。管理職として仕事をしたこともない状態で、管理職として力を身に付けることができません。管理職として力を付けてもらうためには、管理職の仕事にあたってもらう以外にありません。つまり、社長が管理職にどのようにマネジメントの仕事を与え、社長が管理職をどのように見守っていけば良いのか。そのやり方いかんによって管理職が育つか育たないかが決まってしまいます。

■管理職の役割とは

 管理職とはマネジメントを担う人です。マネジメントを担う人を私たちはマネジャーと呼んでいます。「マネジャーは、企業という組織の中でさまざまな役割を担っていますが、そのミッションを一言で表現しますと、『チームで成果を出すこと』です」(東京商工会議所「ビジネスマネジャー検定試験公式テキスト」)。役職、役割、部署、仕事が異なれば、それぞれ見えるものも見えているものもまったく違います。組織の中でさまざまな役割を担う人たちが一つのチームとなって成果を上げるために具体的に何をすれば良いのでしょうか?

■管理職が育つ具体策

 マネジメントの父、ピーター・ドラッカーは、次のように言っています。「マネジメントには基本的な仕事が五つある。第一に、目標を設定する。第二に、組織する。第三に、チームをつくる。そのために動機づけ、コミュニケーションをはかる。第四に、評価する。第五に、自らを含めて人材を育成する」。各回の内容を読むだけではなく、実践して頂き、管理職を育て、事業を繁栄させていってください。

■今日のアクション

 まず管理職自身にチームの目標を決めてもらってください。人は人が勝手に決めた目標を自分自身の目標と考えてくれません。自分で決めた目標であればこそ達成しようという気持ちになります。同時に、組織で仕事をしている以上、「チームの目標は会社の目標に向けられたものであること」が鉄則です。チームの目標が会社の目標に向けられたものでなければ、会社の力はバラバラになってしまうからです。チームであれ、個人であれ、ありとあらゆる目標が、会社の目標に焦点が合っていなければなりません。チームで成果を出すことは、「一人ひとりの仕事が会社の目標に向けられている状態を作り上げること」です。ぜひ2つのポイントを押さえて、管理職にチームの目標を決めてもらってください。

1. 自分のチームは会社の目標にどんな貢献ができるか
2. 会社の目標が自分のチームに与えてくれている課題は何か


執筆者
山下 淳一郎(やました・じゅんいちろう)

トップマネジメント社長。ドラッカー専門のマネジメントコンサルタント。会社が本来持つ力を最大限に活かす為に経営者を対象にマネジメントの支援を行なっている。

掲載:東商新聞 2015年4月20日号

以上