出向・移籍による 企業力アップ

第6回 新規事業の内容・取組状況、最新動向

2015年4月21日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2014年7月10日号

出向・移籍による企業力アップというテーマで、産業雇用安定センターの出向・移籍支援業務などについて紹介します。(全6回)

連載の最終回となる本稿では、国の成長戦略(「日本再興戦略」)を踏まえた当センターの新規事業の内容・取組状況や最新動向などについて紹介します。
 当センターでは、出向・移籍を希望するシニアの方々など向けの出向・移籍支援のガイダンスや民間の教育訓練機関に委託して訓練を実施しています。委託訓練では、当人のスキルアップ・スキルチェンジを促し資格取得などに繋がるような実践的な内容を中心に、個人のニーズや課題の解決に合致した訓練を受講してもらい(原則3カ月以内)、入学料・受講料を、当センターが費用負担して、民間の教育訓練機関に支給(上限月6万円)しています。
 また、事業者向けには、受入企業が採用後の対象者にOff-JT・OJT訓練を行った場合や、送出企業が対象者に求職活動のための休暇を付与して再就職が実現した場合に、国から助成金が支給されます(本年3月創設)。就職支援会社に再就職を委託した場合でも、当センターの仲介によって再就職した際には支給の対象となり、「労働移動支援助成金」の枠組の中での大幅な拡充となっています。この助成金支給に係る業務は、各都道府県労働局で実施していますので、このような制度を活用した再就職の促進を図ることができます。
 さて、直近の国の動きとしては、昨年6月の成長戦略をブラッシュアップする流れがあり、先月末には成長戦略の改訂版が閣議決定されました。
 昨年の成長戦略では、雇用を維持する政策から成長分野への人材移動を支援する政策へのシフトがなされましたが、今回の改訂版では、これらに加えて新たに講ずるべき施策として、働き方改革や外部労働市場の活性化による「失業なき労働移動」の実現などが盛り込まれ、同時に、今後3年間を雇用環境改善の集中改革期間と位置付けることが明記されました。
 こうした流れの中では、当センターを含め国・地方・民間の関係機関に、成長産業に必要な人材が円滑に移動していくような機能・役割が一層求められるとともに、その移動が実効の上がるものとなるためには、賃金をはじめとする諸環境などからみて、いかに魅力のある成長分野等が創出され得るかといった産業振興面からの視点も必要になると考えています。
 6回の連載をお読みいただき、ありがとうございました。


執筆者
公益財団法人産業雇用安定センター

掲載:東商新聞 2014年7月10日号

以上