出向・移籍による 企業力アップ

第5回 雇用ミスマッチの課題と成長戦略

2015年4月21日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2014年6月10日号

出向・移籍による企業力アップというテーマで、産業雇用安定センターの出向・移籍支援業務などについて紹介します。(全6回)

当センターで出向・移籍支援を行う中で、雇用のミスマッチを実感することがあります。
 「条件にこだわらないが仕事がない」といった景気要因のものから、「希望する種類・内容の仕事がない」「賃金が希望と合わない」「勤務時間・休日等が希望と合わない」「自分の技術・技能が求人要件に満たない」などの構造要因のものまで様々です。支援する方々の業種の転換も、机上で考える以上に難しく、現場では日々苦労しています。
 そのギャップを縮めるために当センターでは、関係者に労働市場の状況をご説明して条件緩和を提案する、またシニアの方々には、これまで長らく携わってきた職務経験の棚卸しや自分の強みの整理を行ってもらうなどに注力しています。
 さてそうした中で、昨年6月14日に、「日本再興戦略」、いわゆる成長戦略が取りまとめられ、閣議決定されました。我が国の経済成長を促すためには、個人がその能力を遺憾なく発揮し、成長の担い手として活躍できるよう政策の軸足を「雇用維持型から労働移動支援型」にシフトする観点から、政府の成長戦略にも、当センターが推進している出向・移籍に関するあっせん機能の強化が盛り込まれました。当センターは、これまで26年間にわたり専門機関として出向・移籍支援に取り組んでおり、失業なき労働移動の理念実現に向けて、①キャリアコンサルティングの実施 ②個人の課題に応じた支援メニューの提案 ③民間の訓練機関を活用した講習・訓練等の実施など、支援サービスを量的・質的に強化していこうと考えています。
 今年度から新規事業として、①各地方事務所主催の講習(出向・移籍支援ガイダンス、産業・職種に関する説明会など)、②民間の教育訓練機関への委託訓練(3ケ月以内)の取り組みを開始しました。このため、東京事務所をはじめ、各地方事務所において、情報提供、相談やあっせん業務に取り組む「出向等支援協力員」の増員や、民間の教育訓練機関を活用した委託訓練の開拓・調整等を担当する「出向・移籍支援コーディネーター」の新規配置など体制の整備を行いました。
 支援サービスの拡充に伴い、今後は、雇用面でのギャップをできるだけ縮めてマッチング成立に向けた成果につながっていくものと期待しています。
 さて、次号の第6回、最終回では、新規事業の内容・取組状況や最新動向などについて、説明します。


執筆者
公益財団法人産業雇用安定センター

掲載:東商新聞 2014年6月10日号

以上