出向・移籍による 企業力アップ

第4回 再就職、移籍のマッチング事例

2015年4月21日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2014年5月10日号

出向・移籍による企業力アップというテーマで、産業雇用安定センターの出向・移籍支援業務などについて紹介します。(全6回)

再就職が非常に難しいとされる高年齢者の事例と、東京事務所が主催する「人材移動推進情報交換会」の活用による移籍事例を紹介します。
Aさんは60歳で定年退職されました。Aさんは修士課程を修了後、大企業で役職経験者だった情報システム管理者で、収入面はさておき、定年後も今までの経験を活かして働きたいと考えていました。
 当初、ソフトウェアの知識を活かし、特許調査の仕事に数社応募し、面接まで進んだ企業もありましたが、いずれも不採用。その後も、ソフトウェア関連企業の管理職などを中心に多数応募しましたが、書類選考での不採用が続く中、ソフトウェア開発企業の役員候補募集に応募し、社長面接は通過しましたが、トップの会長面接で不採用となり、再就職活動の意欲が急激に低下していきました。
 当センター担当者は、Aさんに大企業と中小企業の求める人材像の違いや、60歳以降の再就職活動は時間がかかり、根気よく続ける必要がある、不採用は単にミスマッチでAさん個人の能力やキャリアを否定しているものではないなどと説明し、キャリアシートの修正や再就職活動では職種を幅広く拡げる事も大切と助言しました。その後、Aさんは中規模のソフト開発会社のシステム開発管理兼営業職へ応募、60歳以上は契約社員ですが、65歳以上の高年齢社員もいるという企業で、キャリアシートの修正も功を奏し、書類選考を通過し、社長面接を経て採用が決まりました。Aさんからは「伸び盛りの会社で活気があり、とてもやりがいがある」、企業からも「産雇センターを利用して経験豊かな即戦力が得られた」と喜んでいただきました。高年齢者の再就職が難しい中、あきらめずにトライし、成功した事例です。
 東京事務所では中高年齢者の雇用対策の一環として、平成11年度から毎年、「人材移動推進情報交換会」を開催し、送出予定企業(出稿・移籍)と、受入(求人)予定企業に参加企業が年々増加、現在では毎回100社以上が参加しています。
 今回、B社は具体的な求人案件はありませんでしたが、面談会の前の名刺交換会に参加しました。そこで大量の離職者を出す予定のC社と出会い、後日、B社の人事責任者がC社から具体的な送出情報を入手し、当センターの仲介により、C社からB社へ2名の移籍が成立しました。この会を活用して、企業間の橋渡しができた事例です。


執筆者
公益財団法人産業雇用安定センター

掲載:東商新聞 2014年5月10日号

以上