出向・移籍による 企業力アップ

第3回 出向・移籍のマッチング事例

2015年4月21日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2014年4月10日号

出向・移籍による企業力アップというテーマで、産業雇用安定センターの出向・移籍支援業務などについて紹介します。(全6回)

出向による雇用調整は、一過的に人材が不足する受入企業と人材が余剰となる送出企業間の合意により、失業なき労働移動を実現する制度です。ともに製造業のB社とC社の事例を紹介します。
 B社では、増産時期の機械組立ラインの増員のため、当センターに出向受入情報の登録を行いました。このB社の登録を受け、当センターの職員が企業を訪問し、情報を収集しました。「最近生産が上昇傾向で余力がない」「今は余剰でも先のことは判らない」「希望退職募集中」などの回答が続くなか、約3カ月後にC社と出会いました。C社では希望退職募集を避け、雇用維持のために自社の工場からの出向を検討していたため、B社の情報を提供して仲介を行いました。その後、両社で条件面での交渉が行われ、C社からB社に、10人の工場技術者を6カ月間、出向送出することが決定しました。
 6カ月の出向期間終了後、B社の感想は「C社からの出向者は工場勤務の基本や安全教育等が備わっており、定着性は良好だった。出向に関する認識が大きく変わり、C社には大変感謝している」、C社からは「出向した技術者はB社の社風や生産ラインの設計に刺激を受け自社に復帰し、社内会議や日常業務での発言が前向きになった。初の社外出向経験だったが、他社経験による社内活性化のメリットを感じた。大変感謝している」という、感想が寄せられました。
 次は東京に本社があるD社の事例です。官庁関係等の入札手続きや申請手続きの知識や、建築工事の進捗管理などのキャリアを持つ方の求人を希望されていました。
 東京事務所内ではこのスキルの該当者の登録はなかったため、全国ネットに求人を公開したところ、すぐに他の地区の事務所から情報が入りました。翌月末に離職予定でキャリア及びスキルが近く、東京を含む首都圏での勤務を希望しているAさんの応募です。D社も面接を希望し、1次、2次の面接を経てすぐに内定が出ました。また、D社には社宅があったことからAさんも喜び、身辺整理後すぐに出社することができました。大変勤務ぶりも良く、当初契約社員で採用された後、正社員登用されました。難しい案件でしたが、当センターの全国ネットが活用され、東京・他事務所の連携による在職中からのスムーズな支援活動を通じ、双方から感謝された、当センターならではの事例です。


執筆者
公益財団法人産業雇用安定センター

掲載:東商新聞 2014年4月10日号

以上