出向・移籍による 企業力アップ

第2回 出向・移籍の動向分析

2015年4月14日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2014年3月10日号

出向・移籍による企業力アップというテーマで、産業雇用安定センターの出向・移籍支援業務などについて紹介します。(全6回)

 今回は、各種動向の分析と説明です。図は、当センターにおける平成14年度以降の年度毎の出向・移籍の送出と受入のマッチング成立実績です。
 平成24年度の成立状況は、年間の実績が10,042人と、設立以来25年目で初めて1万人を突破(対前年度比+17.0%)しました。伸びた要因としては、次の3点が大きく寄与していると考えられます。
 第1点は「製造業、とりわけ電気・電子部品関係製造業や電気機械器具製造業における大型雇用調整が行われた結果、大量の送出登録がなされ、マッチングを進めて成立に繋げたこと」です。
 第2点は「自動車産業を中心として出向の受入が伸びたこと」です。出向の成立は3,629人と対前年度比35.4%増となっています。
 第3点は「全国に拠点(事務所)を展開しているセーフティネット機能を発揮し、地域を超えた労働移動の割合が高まったこと」です。情報連携で対応した結果、都道府県外での成立が29.1%、約3割となっています。
 業種別(大分類)では、送出情報数で全体の72.0%、受入情報数でも35.9%と製造業が相当数を占め、マッチングの成立数で見ても同様に、それぞれ送出成立数で73.3%、受入成立数で57.3%となっています。両者の関係から、製造業でのマッチング率が高いことが分かります。例えば、自動車など輸送用機械器具製造業では、受入情報数に対して約51%がマッチングしたのに対し、建設業では約10%、情報通信業では約7%と低く、製造業以外では労働条件その他のミスマッチ要因により、必ずしも成立に結び付いていない状況が読み取れます。
 一方、送出情報における支援対象人材数と成立の構成数を年齢別で見ると、39歳以下が全体の29.0%(マッチング成立数では38.7%)に対して、40歳代以降で71.0%(同61.3%)となります。中高年齢層では非常に再就職等が難しいとされていますが、それでも40歳以降で実績が6割を超えています。このことは、中高年齢層がこれまでの勤務経歴を通じ培ってきた豊富な経験をはじめ、対人折衝力や指導・育成力に優れている、責任感が強いといった特徴を受入企業が理解し、活用がなされている証左だと考えています。



 第3回、第4回は、当センター東京事務所より、日頃の業務運営における具体的事例を紹介します。


執筆者
公益財団法人産業雇用安定センター

掲載:東商新聞 2014年3月10日号

以上