税制改正に合わせた事業承継のポイント

第3回 事業承継税制の概要(2)~要件~

2014年11月4日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2013年9月10日号

事業承継問題と平成27年1月1日より施行される新事業承継税制(非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予・免除制度)の確認すべき内容について紹介します。(全5回)

1.相続税や贈与税の納税猶予・免除
 事業承継税制を適用して相続税や贈与税の納税猶予・免除を受けるには、一定要件をクリアする必要があります。これについては、今回(現状)と次回(改正点)にわたり説明します。大まかに言うと、経営権移譲、後継者による経営承継、雇用維持、事業の継続等です。この制度の適用を受けるには、贈与日の翌年1月15日まで又は相続開始後8ヶ月以内に、経済産業局に認定申請書を提出し、申告期限までに贈与税申告書又は相続税申告書の提出が必要です。

2.先代経営者(贈与者、被相続人)の要件
①会社の代表者であること、又は代表者であったこと
②贈与又は相続開始直前に、同族関係者と合わせて発行済議決権株式数の50%超の株式を保有し、かつ、同族関係者内で筆頭株主であったこと
③贈与の場合、役員を退任すること(平成27年から改正)

3.後継者(受贈者、相続人又は受遺者)の要件
①先代経営者の親族であること(平成27年から改正)
②相続の場合、相続開始直前に対象会社の役員であり、相続開始日の翌日から5ヶ月を経過する日に代表者であること。贈与の場合、贈与日に20歳以上で、贈与直前3年以上役員であり、かつ、贈与時に代表者であること
③贈与時又は相続開始時に、同族関係者と合せて発行済議決権株式数の50%超の株式を保有し、かつ、同族関係者内で筆頭株主であること

4.対象会社の要件
 原則として、中小企業基本法の中小企業者であることが必要です(表参照)。

5.対象株式の要件
 後継者の既保有株式と合わせて、贈与又は相続(遺贈)で取得した会社の発行済議決権株式総数の2/3までの部分となります。

6.事業継続要件
 申告期限から5年の間に、次のいずれかに該当することとなった場合には、納税猶予が取り消されます(④、⑥については5年経過後も取消事由になります)。
①後継者が代表権を有しないこととなった場合
②後継者が同族関係者と合わせて有する議決権数が、総議決権数の50%以下となった場合
③同族関係者のうちの一人の議決権数が後継者の有する議決権数を超えた場合
④後継者が、相続等により取得した株式の全部又は一部を譲渡した場合
⑤常時使用従業員数が従業員数起算日における常時使用従業員数の80%未満の場合(平成27年から改正)
⑥資産保有型会社又は資産運用型会社に該当した場合
⑦上場会社等又は風俗営業会社に該当した場合 等


執筆者
株式会社タクトコンサルティング 代表取締役社長 税理士 玉越 賢治

掲載:東商新聞 2013年9月10日号

以上