1日10分で職場を変える!! 新・片づけ術

第6回 人の動きが職場を変える!【習慣】

2014年9月2日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2013年8月10日号

現代の職場環境の問題を明確にし、「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「習慣」の「5S」をキーワードに職場の片づけ術を紹介します。(全6回)

 最終回は「習慣」について解説します。あなたの職場のイメージを発信し、そして組織力を形成する、毎日の行動の積み重ねです。

場面別チェックリスト例
〈始業前〉
●社名のプレートを拭く
●エントランスのゴミを拾い、ドアの手アカを取る
●パンフレットなどを補充し、真っすぐ並べる
●引出しの中のモノを「1分ゲーム」で減らす

〈仕事中〉
●仕事をしながら「キーワード」に従って動く(水平、境界線、光、ライン、美白など)
●大きな汚れを取り、ホコリを払う

〈来客前〉
●エントランスやカウンターの乱れを直す
●窓を開け、空気を換える
●応接室のソファの座面を手で払い、テーブルの手アカを取る(真上からではなく水平に近い目線でチェックする)
●トイレの便器内を流しながら柄付きブラシでさっとこする
●トイレのペーパーの端は直角二等辺三角形に折る
●洗面台の水気を拭き、鏡と蛇口をピカピカに磨く
●タオルは手前を長く掛け、軽く叩いてプレスする
●飲食店、美容院、エステサロンなど滞在時間の長い場所では、トイレは特にキレイにしておきたい場所です。

〈退社時〉
●キャビネットを閉め、扉表面のホコリをハタキで払う(1㎡あたり1秒)
●デスクの上のモノは全てしまい、さっと拭く
●トイレ、給湯室の換気扇を回しておく(設備安全上可能な場合のみ)
●マジメな仕事の落とし穴
 職場環境の良否と業績は、ほぼリンクします。職場が乱雑になるのは、従業員の意識が低下して規則正しい毎日の習慣が崩れてくることが原因です。「お客様に見られている」という意識がないと、当然売上は伸び悩みます。
 与えられた仕事をバタバタと一生懸命にやっているので問題がわかりにくいのですが、目線を強制的に変えてみる必要があります。
 仕事中に時々席を外し、顧客と同じように外から職場を見てみます。看板が曲がっている、ドアが開けにくい、植木が倒れている、汚物が落ちている。ドアを開けたら雑然としている、個人情報が丸見え、モノの配置が悪く人が右往左往しているなど。気がつかなかったこと、当たり前だと思っていたことなど、意外な問題点が見えてきます。
●接客はビルの外から
 前回、「顧客」を「あなたの職場に出入りするすべての人も含めて」と定義しました。そして、現代の「5S」は生産効率ではなく、顧客のため、と述べてきました。
 入口に立つ来客に気付かない職場、まだ多いですね。訪問しても誰も気が付かず「すみません」と声をかけた時点で、小さく「むかっ」ときた経験はありませんか?ドアを開けた途端に「お待ちしておりました」と迎えられれば、とてもうれしく感じるものです。その日の来客予定は全員が把握することも一案ですが、「いつも来客に感謝」「全員で接客」という意識が何よりも大切です。
 昼食や営業活動の帰りなど、ビルの近くで出会った人は、あなたの会社の顧客かもしれません。「どちらかお探しですか」と声をかける。エレベーターで一緒になれば「何階ですか」と尋ね、「お先にどうぞ」とドアを押さえる。こんな小さな習慣から、真の「顧客本位」の社風は作られていくのです。
 「来たお客様に対応する」時代は終わりました。「お客様ではない人にお客様になってもらう」ための対応と環境づくり。これが「5S」の新しい「習慣」なのです。


響城 れい(日々キレイ)


執筆者
響城 れい(日々キレイ)
Office W-being代表。ワーク&ライフイノベーター。神戸大学教育学部卒業。20年間にわたりハウスクリーニングの運営に携わる。2,000件以上の現場訪問で、職場環境を改善。また、全国各地での講演や、NHK教育テレビなどへの出演など活躍中。

掲載:東商新聞 2013年8月10日号

以上