1日10分で職場を変える!! 新・片づけ術

第2回 判断力・決断力を磨く【整理】

2014年8月5日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2013年6月10日号

現代の職場環境の問題を明確にし、「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「習慣」の「5S」をキーワードに職場の片づけ術を紹介します。(全6回)

 今回は、5Sの「整理」について解説していきます。不要なモノを捨て、職場の機動力を上げる重要な過程です。
 モノが増えれば、古い順、大きい順、よく使う順など並べ方のルールも複雑になります。仕事のスピードに合わせてモノの重要性が刻々と変わってくる現代では、「並べる=整頓」より「捨てる=整理」に力を入れるべきです。

●モノを減らす考え方
 まず「どれを捨てるか」ではなく「どれを残すか」と考えます。次に「使える」「使えない」から「使う」「使わない」へ。「使う」は、「いつ」「どこで」と具体的に絞り込んでいきます。
 たくさんの中から本当に必要なモノだけを選び出す。この作業は適確な判断力と迅速な決断力を養います。
 「あとで必要になったら」と心配ですか。そんな時は、最新データを検索する。人に聞く。思いがけない展開が生まれるかもしれません。モノがないことで、かえって前向きな発想が生まれる。それが現代の仕事環境なのです。
 五十代以上の世代は「モノを大切に」と教えられて育っているため、この発想の転換が難しいようです。「乱雑な方がはかどる」と言うなど。若い部下がそれを模範としないよう、注意しましょう。

●モノを捨てる基準づくり
 経営者や職場のリーダーが「捨てる基準」を明確に示してください。社員は毎回迷う時間的・精神的なロスもなく、安心して捨てることができるようになります。次に基準の例を挙げましょう。
 書類は、半年間で一度も見ていないものは不要です。プロセス段階の紙、会議資料、カタログ、プリントアウト、メモなどは処分します。個別顧客情報などは、取引成立の過程は残し、途中の定例書類は処分できます。必要なのは直近の約一年分です。
 名刺は、三か月に一度は見直します。顔を覚えているかどうかが基準です。処分してもサイト経由などで連絡はとれますし、多ければ多いほど、肝心の見込み客の名刺を探し出すのに時間がかかってしまいます。
 データが重要なビジネス書籍は、発行後一年が目安。雑誌は次の号が出るまで。文房具は、各一個ずつ。デスクには、その日に使う量だけが手元にあれば十分です。

●モノを増やさない方法
 ここでも「とりあえず入れる」ではなく「必要なモノだけ」と入口を厳しくすることが大切です。新しいモノはデスクに仮置きせず、しまう場所を決めてすぐ処理を。カタログやDMでどうしても必要なもの以外は、溜めておかずに捨てます。
 資材や消耗品の発注も「定期的」から「なくなりそうな時」に。送料を支払っても小さなロットで発注し、在庫を極力抑えましょう。

●必ずモノが減る「ゲーム」
 「片づけよう」と思っても「時間がない」と後回しにすることが多いですね。ルールを作って「闘争本能」のスイッチを入れましょう。三つのことを決めてから始めます。
【場所】できるだけ小さく。「この引出し一個」など。
【時間】できるだけ短く。一分程度。カウントダウンタイマー(写真)で計ります。
【数】「できた」という成功体験が大切なので、捨てるものは三個、五個など無理なく決めます。
 この一分間ユニットを仕事の合間に組み込んで続けます。特に朝は、脳を仕事モードに切り替える効果もあります。ゲームをしながら「不要なモノを捨てる」から「必要なモノだけ残す」という感覚が身に付いていきます。

響城 れい(日々キレイ)


執筆者
響城 れい(日々キレイ)
Office W-being代表。ワーク&ライフイノベーター。神戸大学教育学部卒業。20年間にわたりハウスクリーニングの運営に携わる。2,000件以上の現場訪問で、職場環境を改善。また、全国各地での講演や、NHK教育テレビなどへの出演など活躍中。

掲載:東商新聞 2013年6月10日号

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