中小企業診断士が徹底解説! 中小企業の海外展開戦略

第2回 中国へ進出する際の留意点

2020年6月25日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2020年6月20日号

本連載では、中小企業が海外展開をする際に押さえておくべきポイントなど、中小企業診断士が6回シリーズで分かりやすく解説します。
今回は中国へ進出する際に留意するポイントなどを紹介します。

中国は14億人の市場と言われていますが、内実は様々な多様性を抱えており、一つの省で国レベルの面積、人口、経済規模を有しています。従って、市場も地域や所得階層ごとの特性を具体的に分析する必要があります。中国の言語、民族、風俗などの多様性は欧州各国に匹敵すると心得るべきです。


<格差と多様性>
 中国には都市と農村、東西南北での経済規模といった様々な格差があります。成功のカギは、地域、年齢、収入レベルなどターゲットを絞り込むことです。また、進出する際は「小さく産んで大きく育てる」ことを心掛けましょう。小規模で事業を始め、利益を再投資し、10年後には大きな事業に育てるのが望ましいモデルです。


<社会主義市場経済>
 中国は官僚主導の計画経済が基本であり、その一部に市場経済のメカニズムを採用しています。減少傾向にはあるものの、許認可はあらゆる領域に及ぶため、官公庁との良好な関係なくしては順調な事業展開は望めません。


<大きな経済変動に注意>
 中国では、経済規模が巨大でかつ中央政府のコントロールが難しいため、時折オーバーシュートでバブル、オーバーキルで不景気など政府規制に起因する大きな波が存在します。また、国際経済と密接不可分な関係を有しているので、リーマンショックといった海外の経済変動に大きな影響を受けるようになっています。


<政治リスクや疾病の大流行>
 中国にはかなり厳しい規制があるため、輸出前には必ず確認し、製品を規制に適合させるようにすることが肝要です。製品規格はEU基準をベースにした規定が多数ですが、中国独自に一部を改変している規格や基準が多くあり、詳細の確認が必要です。特に工場の排気、排水などには極めて厳しい基準があり、外資企業は特に厳守を要求されます。
 さらに約10年ごとに肝炎、鳥インフルエンザウイルス、新型コロナウイルスといった疾病の大流行があり、経済活動にも甚大な影響を及ぼします。

<パートナーとの関係>
 技術提携は、技術導入管理条例でライセンサー(実施許諾者)の提供技術の完全性が要求されるといった縛りがあるので、締結前に条例をよく確認しておくことが必要です。
 進出する前には中国で商標、意匠、特許など知的財産権を確保することも重要です。なお、少量サンプルの購入契約はコピーされることがあるので要注意です。


<魅力的な市場>
 中国は前述のように市場経済国と異なる規制、商習慣などが多くあり、格別の留意が必要ですが、巨大な国土や人口を有し、消費力も爆発的に増大している大変魅力的な市場です。各種リスクに十分ご留意の上、進出をご検討ください。

出展:本川 裕 「社会実情データ図鑑」 http://honkawa2.sakura.ne.jp/8225.html

出展:本川 裕 「社会実情データ図鑑」 http://honkawa2.sakura.ne.jp/8225.html


東商 中国専門相談員 田中真次

掲載:東商新聞 2020年6月20日号

以上
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