中小企業のM&A

第1回 事業承継の現状

平成27年12月15日

M&Aを進める際の留意点や進め方、手続きなどについて紹介します。(全4回)

■事業承継の現状

 少し古い統計ですが、2006年の中小企業白書によると毎年7万社が後継者不在を第一の理由として廃業しており、それによって失われる従業員の雇用は毎年20~30万人にものぼると推定されています。
 直近の帝国データバンクの事業承継調査(2014年)によると、この20年間、事業承継が円滑に進まないために経営者交代率の低下・経営者の平均年齢の上昇が進んでおり、約2/3の中小企業において後継者がいないという調査結果が出るなど事態はさらに深刻化しています。
 そのような現状に問題意識を持った経済産業省によって2011年に主に後継者不在の中小企業事業者向けに事業引継ぎ支援センターが設立されました。
 当センターでは事業承継問題を抱える中小企業事業者に対して会社の状況を踏まえた上でどのような選択肢があるか判断材料を提供・助言し、次世代への円滑なバトンタッチを支援しています。

■相談企業の特徴

 そのような社会的な背景もあり、当センターへの相談企業数は毎年増加の一途をたどっており、昨年度は約600社の相談がありました。
 相談企業は大きく分けると後継者不在等の理由から譲渡を希望する企業(売り手)と逆に事業拡大のため他社の譲受けを希望する企業(買い手)の2つに分類されます。
 譲渡希望企業を承継希望者別に分類すると・親族への承継(7%)、・従業員への承継(16%)、・第三者への承継(64%)、・その他(13%)となっています。
 譲渡希望企業の事業規模別に見てみると年商3億円以下が全体の7割、そのうち年商1億円以下に限っても5割弱と小規模零細企業からのご相談が多くを占めています。
 逆に譲受希望企業の事業規模は4割以上が年商10億円以上の企業であり、なかには年商数兆円規模のグローバル企業のご相談もあります。

■質問の多い相談

 毎年300社近くの譲渡希望相談をお受けする中で、一番多いご相談が「後継者不在の当社でどのような選択肢をとりうるのか、譲渡できる可能性はあるのか。」というご質問です。
 親族・従業員・第三者いずれに承継するにしても、円滑な引継ぎのためにはそれなりの前提条件が整う必要があります。
 会社の承継・譲渡を円滑に進めるための3つのポイントを説明します。

【承継・譲渡しやすい会社】

●業績が良く、財務上も問題のない(銀行借入の少ない)会社
 損益的にはやはり黒字の会社のほうが相手先を見つけやすいですが、特別事情による一過性の赤字、または本業以外の理由による赤字であればそれほど障害にならない可能性もあります。財務的には必要な運転資金のための借入は問題ありませんが、今の事業収益から完済が見込めないほどの借入規模だと難しくなってきます。
●社長への依存度が高すぎない(社長のほかにキーパーソンがいる)会社
 中小企業では大企業に比べ経営者の影響力が大きいのは致し方ないところもありますが、経営面のみならず営業面・技術面など事業の全てを社長一人に依存していると経営者の引退を前提とする第三者への承継は難しいと言えるでしょう。
●株式が社長一族に集中している会社
 中小企業の場合、所有と経営が一致していることが多いですが、創業時の知人や元従業員などに株式が分散し、集約が難しいとなると承継候補者の円滑な事業運営が難しくなってきます。
 次回以降、M&Aを実際に進める際の自社の評価額や留意点、進め方、手続きについて詳しく解説します。


執筆者
東京都事業引継ぎ支援センター

掲載:東商新聞 2015年4月20日号




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