人事戦略として取り組む障害者雇用

第1回 障害者雇用は「義務」から「戦力」へ

平成27年10月13日

障害者雇用に戦略的に取り組む方法を紹介します。(全3回)

■雇用を促進する法令改正の動向と障害者雇用率の推移

 企業は「障害者の雇用の促進等に関する法律」にて常時雇用している労働者数の2.0%以上の障害者を雇用しなければならないと定められています。本法律は5年ごとに雇用率の見直しがあり、2013年には1.8%から2.0%に改正され、2018年4月からは精神障害者の雇用義務化(現在は精神障害者の雇用も雇用数に算定)が決まっており、その後も更なる雇用率の引き上げが予測されます。また、障害者雇用納付金制度の改正により、今年4月からは常時労働者数が100人を超える中小企業にも納付金(月5万円)が適用されるなど、法令上において障害者雇用の促進がより一層進んできています。
 このように法律の後押しや、CSR、ダイバーシティの高まりにより、企業の社会的責任として障害者雇用を積極的に取り組む企業が増えてきました。現在の実雇用率の全国平均は1.82%、雇用数は約43万人と前年より5.4%増加して11年連続で過去最高となっています。その大多数は、健常者とほぼ同様の業務を任せられる身体障害者です。しかし、身体障害者は高齢化が進んでおり、65歳以上の方が全体の約7割を占めています。一方、知的障害者、精神障害者は20~65歳未満の方が約6割と労働者としての層も厚く、今後の障害者雇用のキーパーソンになっていくと考えられます。

■障害特性を生かした職域と社内における業務創出のポイント

 今までは「業務に合わせて」、その経験のある身体障害者を採用することが中心でした。しかし、これからは「障害の特性に合わせた」職域で、知的障害者、精神障害者を戦力化していくことが必要となっていくでしょう。
 知的障害とは、知能指数が70ないし75未満(以下)とされており、あいまいな表現の理解が苦手です。したがって、的確な表現での指示があれば、業務を正確に進めることができます。
 精神障害とは、脳の器質的変化や機能的障害によって、精神および身体の行動に変化が現れる状態で、うつ病、統合失調症などがあります。中途障害であるので、発症前に仕事をしていた経験のある場合も多く、ストレスなどがかからない業務に配置すれば、従来から持つ高い能力を発揮できます。
 また、発達障害は脳機能障害の一種で、コミュニケーションや社会適応が苦手であり、自閉症、アスペルガー症候群などがあります。興味の範囲が狭くコミュニケーションは特異ですが、逆に、興味のある分野にはこだわりを持って取り組むことができます。
 よく「障害者の業務が創り出せない」という話がありますが、新たに創り出す必要はありません。障害上の弱みを強みに変えて、特性に合わせた業務に配置すればよいのです。例えば、今ある業務の中で、誰もがやっているファイリング、データ入力などの「ノンコア業務」を切り出し、障害者の職域とすれば一般社員は「コア業務」に専念でき、全社の業務効率もアップします。
 障害者の職域開拓は難しいものではなく、ひとり一人の特性に合わせて行えばよいのです。実はこれは、障害者に限ったマネジメントではなく、健常者も同じなのかもしれません。


執筆者
白岩 忠道(しろいわ・ただみち)

パソナハートフル取締役管理統括部長。2003年、パソナグループの特例子会社である同社を立ち上げ、障害特性に合わせた職域開拓を行うかたわら、企業の障害者雇用コンサルティングに従事。10年からは東京都教育庁から委嘱を受け、特別支援学校の就労アドバイザーとしても活動中。

掲載:東商新聞 2015年3月10日号




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