中小企業の 企業年金制度 ~変革していく企業年金、自社に適した制度を~

第6回 厚生年金基金廃止後の企業年金・退職金制度

平成26年10月14日

変革していく企業年金。自社に適した中小企業向け企業年金制度について紹介します。(全6回)

 来年4月以降、法改正により厚生年金基金の多くが廃止に向かうことになる。厚生年金基金は厚生年金の代行部分に加え、基金が独自に設計し給付を行う上乗せ部分がある。基金解散時には代行部分の資産を国に返上し、上乗せ部分にも資産がある場合は、残余財産を他の制度に移行するか、受給者、加入者等に分配する。ただし、代行割れして上乗せ資産がなければ分配金はない。なお、厚生年金の支給は確保される。

●解散後の移行先
 解散基金の残余財産の移行先として、確定給付企業年金(以下、DB)、確定拠出年金(以下、DC)、中小企業退職金制度(以下、中退共)が想定されている。
 DBでは、基金からの分配金を事業所単位で移行できるようになる。また、移行の際に生じている積立不足については、最長20年で償却しなければならないが、特例で最長30年となり、毎年の償却額を抑えることで、事業主の負担が軽減される。
 DCへも事業所単位で移行できるようになる。従来は厚年年金基金での上乗せ部分の積立不足を解消しなければDCには移行できなかったが、積立不足を解消しなくても良いこととし、DCを選択しやすくした。また現行ではDCへの移換はDC加入3年以内に行わなければならないが、その制限も撤廃され、既存のDC制度が活用できることとなる。
 中退共も、厚生年金基金の分配金の移行先となる。適格退職年金の廃止時には、中退共の既加入企業は適格退職年金の資産を移行できなかったが、今回は既加入企業でも移行が可能。
 中退共は1959年に国が単独で退職金制度をもつことが困難な中小企業のために創設した制度で、加入対象は、常用従業員数、資本金(出資金)のいずれかの基準を満たす中小企業(表1)。両方の基準を満たす必要はないため対象となる企業は多い。
 中退共の掛金は5,000円から30,000円まで16種類の掛金月額(表2)から事業主が従業員ごとに選択する。月掛金額により支給される退職金額も概ね決まっており、原則として事業主へ追加の掛金拠出はない。資産運用は中退共が行い、事務管理費も中退共が負担するため、中小企業には導入しやすいといえる。

●上乗せ部分への期待
 上乗せ部分は企業の退職金制度の一部として退職金規程に定められていることも多く、その場合には、残余財産がない場合でも企業の支給義務が残る。また、福利厚生での導入の場合でも、老後の収入として期待されてきたものであるため、企業には上乗せ部分の再建が期待されている。代行部分の資産も割れている企業には、特例により負担の軽減がはかられるものの、割り当てられた不足分の納付義務があるため、さらに上乗せ部分相当を給付する制度を作り直すことは難しいと考えられる。しかし、高齢化社会となった今日、老後の生活を支える退職金・年金は今まで以上に重要となってきていることから、事業主は各制度を理解し、自社に合った仕組みでの措置を講じる努力が求められる。
 厚生年金基金の残余財産の受け皿とはなっていないが、新しく外部積立制度を利用する場合には、特定退職金制度(以下、特退共)も選択肢の一つとなる。

●特退共の活用
 特退共は、市町村(特別区を含む)、東京商工会議所をはじめとした特定退職金共済団体が運営する退職金制度である。中退共のように従業員数や資本金による制限はなく、中退共との重複加入も可能だ(他の特退共制度との重複加入は不可)。なお、実施団体ごとに加入要件等が異なる点に留意頂きたい。
 本連載が企業年金の導入、活用にあたりお役に立てれば幸いである。


執筆者
商工会議所年金教育センター 主任研究員 1級年金総合(DC)プランナー 中小企業診断士 大高 直美

掲載:東商新聞 2013年12月10日号




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