変わるメンタルヘルス対策

第1回 いま、職場で起きていること

平成25年2月28日

臨床心理士の松本桂樹氏が、中小企業におけるメンタルヘルス対策についてを解説します。(全3回)

 1998年、バブル崩壊の煽りを受け、日本の経済成長率は戦後最悪を更新しました。そしてこの年、日本における自殺者数が前年を8,000人以上上回り、約3万3,000人へと急増したのです。
 この年を境に、職場のメンタルヘルス対策は一気に動き出しました。不況に伴うリストラの増加やリストラへの不安、勤労者のストレス増大、過重労働による過労死・過労自殺、その労災申請・認定数の増加、自死遺族による事業者を相手取った民事訴訟の増加など、派生する様々な動向がその後の対策推進を突き動かすことになりました。
 勤労者のメンタルヘルス不調で最も多いのは「うつ病」です。うつ病になりやすい人は几帳面で責任感が強く完璧症という、いわゆる「メランコリー親和型性格」を有するとされます。このタイプの人は秩序を重んじ、具合が悪くなってもギリギリまで我慢して仕事を続け、休むことに抵抗を示す傾向が見られます。
 しかし最近、勤労者に生じるメンタルヘルス不調の傾向に、変化が見られています。例えば、「仕事は行けないが、趣味などは精力的にできる」という、いわゆる「新型うつ」の増加です。さらには、主に若年層社員で、職場環境等の変化に対応できずに発症する「職場不適応」や「適応障害」も増える傾向にあり、これらの問題により、医師から「要休職」の判断がなされる勤労者が増加しています。これを裏付けるように、厚生労働省が発表した「精神障害等の労災補償状況」では、2011年の出来事別支給決定件数で「仕事の内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」が最も多くなっています。
 2006年には、長時間労働者への医師による面接指導が、改正労働安全衛生法の制定で義務化されるなど、メンタルヘルス対策は過重労働を防ぐことが中心でしたが、近年社員のメンタルヘルス問題が多様化する中、企業側の対策も労働時間の削減など一様な対応では解決が難しくなってきています。メンタルヘルス不調を未然に防ぐための研修の実施や、外部機関との連携など多様な対策を実施する必要が出てきました。中小企業にあっても、対策を疎かにすることで企業の存続に関わる大きな事態に発展する恐れが生じます。では、具体的にどのような対策が必要なのでしょうか。次回以降に、詳しく見て行きたいと思います。


著者略歴
松本桂樹(まつもと けいき)[臨床心理士] 株式会社ジャパンEAPシステムズ 副社長
東京学芸大学大学院修了後、精神科医療機関である高田馬場クリニックに入職。しばらくして法人契約により社員と家族に対してサービス提供を行なう部門(EAP)を立ち上げ、クリニックと兼務。兼務のまま精神科に6年勤務の後、株式会社ジャパンEAPシステムズへ転籍。

掲載:東商新聞 2012年8月10日号




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