ストレスに悩まない人の習慣

第2回 ストレスとは何か?

平成29年10月31日

 現代はストレスが多い時代といわれていますが、同じような環境にあってもストレスに悩みメンタル不調になる人とならない人がいます。産業医として延べ1万人の働く人と面談をしてきた著者が、ストレス知らずの人たちの習慣やストレスの捉え方、対処の仕方を解説します。

 現代はストレスが多い時代と言われています。同じ職場でもストレスに悩みメンタル不調になる人とならない人がいることを、私は産業医としてたくさん見てきました。そして、その違いは、実際にストレスをどのように捉えているかだと感じています。

 厚生労働省の資料ではストレスについて、ストレス要因、ストレス耐性、ストレス反応という3つの言葉を使って定義しています。企業研修でこの説明をすると、「ストレス要因」という言葉から即座に「あの部長!」とか「職場が」などと原因探しや、過去に注意が向いてしまう人がいます。これがストレスに悩む人の典型例です。

 ストレスには、遺伝的、医学的、生理学的な理論などで説明できる部分もありますが、簡単に言えば、ストレスとは緊張と弛緩でいうところの緊張です。精神的・肉体的に負荷となる刺激はみなストレスとなりえますが、それそのものが悪いわけではありません。筋肉の緊張と弛緩でも分かるように、両方あって1つの常態を保っています。そこに、良いも悪いもありません。

 同じような状況に対しても、人により捉え方は様々です。「成長の糧になる」という表現がありますが、何らかの刺激を負荷と思うか糧と思うか、感じ方は人により異なります。

 仕事が早く終わり家に早く帰ることができることを、家族と過ごせる、趣味の時間が持てるとポジティブに考える人もいますが、この状況を「家に帰ると、家事をたくさん頼まれそうだ…」とネガティブに考える人もいます。

 ストレスに悩まない人たちはストレスをどう捉えているのでしょうか。

 ストレスとは、「強度」×「持続期間」です。ストレスの「強度」とは、どれだけインパクトが強いかということです。人は予想できることに関してはそれなりに身構え、ある程度は耐えることができますが、不意の出来事にはショックを受けやすい、つまり強度の強いストレスの原因となりえます。

 ストレスの「持続期間」とは、そのような刺激や状況・環境がいつからどれくらい続いてきたのか、そしてこれからどれくらい続くのかということで、これも個々人がストレスをどれくらい大きく感じるかということの重要な因子になります。

 また、ストレスは疲労度にも関係します。同じ人でもストレスの感じ方は環境や状況によって、異なるということもあります。疲労がたまっていれば、同じストレスに対しても本人の感じ方は大きくなるでしょう。

 次回以降、実際にストレスに悩まない人たちは、どのようにストレスに対処しているのかを解説したいと思います。


執筆者:日本ストレスチェック協会代表理事、産業医 武神 健之

掲載:東商新聞 2017年4月10日号




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