ストレスに悩まない人の習慣

第1回 日常習慣と不安やストレスコントロール

平成29年10月24日

 現代はストレスが多い時代といわれていますが、同じような環境にあってもストレスに悩みメンタル不調になる人とならない人がいます。産業医として延べ1万人の働く人と面談をしてきた著者が、ストレス知らずの人たちの習慣やストレスの捉え方、対処の仕方を解説します。

 現代はストレスが多い時代といわれています。私は産業医としてこの10年間で延べ1万人の働く人と面談をしてきました。そして、ストレスについて、実際に現場の経験から分かったことがあります。それは、同じような環境にあってもストレスに悩みメンタル不調になる人とならない人がいるということです。そして、ストレスに上手に対処している人達は、そもそもストレスを感じる前から日常生活の中で、上手に3種類のセルフケアを取り入れています。

 1つ目は、睡眠時間ではなく、「布団にいる時間」を確保するということです。
実際に寝てはいなくても、とにかく布団で身体を休めている時間を日頃から少なくとも6時間くらいは確保することで、睡眠不足からくるメンタルヘルス不調はかなり予防できます。忙しくて毎日6時間のベッドタイムの確保は難しくても、週に数回そうすることでも効果はあります。

 2つ目は「相談する相手をもつ」ということです。
 強いストレス・不安・悩みを他人に相談することで、約9割の人が解消したか、少なくとも気が楽になるというデータがあります。精神療法(メンタルヘルス治療法)の中では昔から、話をすること自体がストレスの緩和に非常に効果的だとされています。

相談相手は、必ずしも専門家ではなくていいので、アドバイスなどをするのではなく、ただ「うん、うん」と話を聞いてくれる人を日頃から見つけておきましょう。

 3つ目は、自分のストレス症状を知っておくということです。
 人は、自らにかかる負荷が自分の許容限度を超えて“ストレス”と感じると、その反応がストレス症状としてあらわれます。この症状は、人それぞれ異なります。

 眠れないからといって即座にうつ病だと考える必要はありませんが、何か原因の分からない、説明しきれないような症状が続くときは、メンタルの問題である可能性も少しは考えていただけると良いでしょう。もしくは人に「その原因はメンタルじゃない?」と言われたら、端から否定したりせず「そういうこともあるのかな」と思える余裕を持っていただけたらと思います。

 ぜひ読者の皆さんもこのような意識を持って、上手にストレスに対処できる“こころ”と“からだ”を育んでいただければと思います。


執筆者:日本ストレスチェック協会代表理事、産業医 武神 健之

掲載:東商新聞 2017年3月10日号




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