ソーシャル時代を生きる

第6回 企業をソーシャルシフトするためのステップ

2013年4月18日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2012年7月20日号

ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹氏が、ソーシャルメディアによって変わる社会と、企業活動について解説します。(全6回)

 ソーシャルメディアを先進的に活用している企業には共通の特徴がある。本質的な顧客志向を持ち、挑戦を重んじる社風が根づいているという点だ。逆に言うと、一般的な企業は「顧客より社内規律」を重んじ、「チャレンジよりリスク回避」を重んじる傾向が強い。そのために両刃の剣となるソーシャルメディア活用を躊躇しているケースが多いように感じられる。
 大切なのは、すでにあらゆるブランドがソーシャルメディア上で語られており、近い将来、そこでのクチコミが事業の成否すら決定するほど重要になるということだ。これは企業がコントロールできることではない。つまり企業判断が入る余地はないことなのだ。
 生活者に共感される企業、愛されるブランドになること。顧客ロイヤリティを経営の最重要課題とすべき時代が到来した。これからは、ブランドを広く告げる役割も、メディアから生活者へ徐々に移っていくだろう。ソーシャルメディア上でポジティブなクチコミを発生させる原動力は、ソーシャルメディアを巧みに活用する術ではなく、ブランドが顧客に提供する体験そのものだ。生活者に競合他社よりも素晴らしいブランド体験、おもてなしを提供できるか。勝負の分かれ目となる。
 本連載で説いてきた「ソーシャルシフト」は、顧客に素晴らしいブランド体験を提供するために、統一性のあるアイデンティティを構築することを目指すものだ。Webサイト、広告、販促用印刷物、店頭、販売担当員、サービス品質、カスタマーサービス。そしてソーシャルメディア。すべての顧客接点で、社員が自律的に判断し、お客様の事前期待を上回るサービスを提供できるような企業像である。では一体どうすれば、あなたの会社を変革することができるのだろうか。それもボトムアップ、現場主導でソーシャルシフトするためには、どのような方法があるのだろうか。その具体的なステップは次の図の通りだ。
 本連載で一貫してお伝えしたかったことは、今、企業はマインドセットを変えるべきタイミングにあるということだ。原点に回帰すると言った方が良いのかも知れない。企業人として、そして日本人として、原点に立ち返る時がきたのではないだろうか。


著者略歴
斉藤 徹(さいとう とおる) 株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役

掲載:東商新聞 2012年7月20日号

以上