専門家派遣制度を利用した期間
2024年6月~2024年10月
支援専門家(健康経営エキスパートアドバイザー)
健康運動指導士

本社: 東京都千代田区外神田2-9-10
代表者名: 代表取締役社長 津田 百子 氏
設立: 1971年
従業員数: 93名
事業内容: 電子部品総合商社
専門家派遣制度を利用した期間
2024年6月~2024年10月
支援専門家(健康経営エキスパートアドバイザー)
健康運動指導士
運動セミナーの開催など、具体的な取組を支援してほしい。
エレクトロニクス分野の専門商社、株式会社栄電子。東京の本社を含め全国に9つの拠点を構え、国内外のメーカーから仕入れた電子機器や電子部品を、主に電機メーカーや精密機器メーカーへ卸売販売している。
同社が健康経営に取り組み始めたのは2023年10月。代表取締役社長の津田百子氏が中期経営計画を策定するなかで、人的資本経営に着目したことがきっかけだと、管理部総務課で健康経営推進を担当する日下部奈々氏は当時を振り返る。
「中期経営計画を策定するにあたり、弊社社長が『社員が心身ともに健康で、一人ひとりがその個性と能力をフルに発揮できることが、会社の持続的な成長と企業価値向上には欠かせない』と考えたことがきっかけで、健康経営に取り組むこととなりました。経済産業省の「健康経営優良法人」認定取得を目標に、まずは健康優良企業「銀の認定」取得を目指して取組をスタートしました」(日下部氏)
すでに社内に設置されていた衛生委員会のメンバー(日下部氏を含む)が健康づくり担当となり、健康経営の推進を主導した。「健康経営の基本方針」「健康経営戦略マップ」などを作成し、同時に健康企業宣言を実施。認定団体である東京都電機健康保険組合からアドバイスをもらいながら、2024年7月に「銀の認定」を取得した。
この認定の取得に至る過程で、東京都電機健康保険組合から専門家派遣制度を紹介され、「健康経営優良法人」取得を実現するためにも専門家からの支援を受けたいと考え、申し込むに至った。
「当時、特に取り組みたいと思っていたことの一つが、従業員への運動機会の提供でした。具体的にはセミナーを実施したいと考えていましたが、健康や運動に関する専門知識を持たない私たちでは、何からどう取り組めばいいのかわからず、準備などにかなり時間がかかってしまうだろうと考えていました。そこで、専門家の方に運動に関連するセミナーの実施を支援していただけたら、それが効果的な運動機会の提供になると思い、申し込みました」(日下部氏)
同社は「銀の認定」取得に至るまでの間に、従業員の健康診断結果へのフィードバックや、従業員への健康に関するアンケートの実施等を東京都電機健康保険組合から受けていたことで、すでに「運動不足」「喫煙」「飲酒」といった課題が明らかになっていた。加えて、専門家派遣時に従業員向けに行った健康に関するアンケートでも同様の課題が見られたため、これらの課題を解決するための支援を、健康経営エキスパートアドバイザーの笹川さゆり氏に依頼した。
まずは、特に気になっていた運動不足を解消するための運動セミナーを実施。本社で行われる朝礼の時間を活用して、健康運動指導士の資格を持つ笹川氏が講師を務め、職場で行えるストレッチを紹介した。支社の従業員へは録画した動画を配信した。
「デスクワークの合間に行えるストレッチですので、それほど激しい運動ではなかったのですが、従業員からは『いい運動になるね』といった声が上がっていました」(日下部氏)
また、管理職を対象に健康経営の概要とメンタルヘルス(ラインケア)に関するセミナーを実施。こちらも笹川氏が講師を務め、そもそも健康経営とはどのような取組なのか、どんなメリットが得られるのかなど、健康経営へ取り組むことの意義を解説。さらにメンタルヘルスケアにおけるラインケアのあり方についても紹介し、特に管理職である上司が、部下の様子の変化にいち早く気がつくことの重要性、また、部下から相談を受けた際にどのような対応をとるべきかといった具体的な対応策を解説した。その時点で、精神面の不調を訴える従業員はいなかったが、これまで取り組んでいなかったメンタルヘルスケア体制を強化するため、および、管理職が部下の健康をより意識して管理するようになることを目指して実施した。
その他にも、「銀の認定」取得の際から実施している取組を継続して実施。月1回、衛生委員会から従業員に向けて健康に関する情報を社内報としてメールで発信したり、運動や喫煙に関するポスターを社内に掲示した。
専門家派遣終了時に実施したアンケートでは、「直近1週間の運動日数が週2日以上の割合」「過去1年以上、週2日30分以上、運動する割合」が改善。日下部氏とともに健康経営を推進した中島綾香氏も、従業員の運動に対する意識の変化を感じつつあるという。
「まだ全員とはいきませんが、業務の合間に少しずつストレッチを取り入れてくれている従業員もいるようです」(中島氏)
また、「栄養成分表示を確認する割合」が改善したことから、従業員の食生活に対する意識の向上も読み取れる。社内に掲示したポスターや、月1回の情報発信が、従業員の意識に働きかけた結果だといえるのではないだろうか。
「営業で外回りをする従業員が、いつもコーヒーや清涼飲料水を飲んでいたのに『2本に1本はお茶やお水にしているよ』と教えてくれるなど、行動の変化が見られます。また、支店の従業員からは、月1回の社内報を『毎月印刷して掲示板に貼っているんだよ』と言ってもらえたり、他の従業員からは、配信が遅れた際には『今月はないの?』と声をかけてもらったり。健康情報も、きちんと見てもらえているのだなと、非常に嬉しく感じています」(日下部氏)
何より変化しているのが、衛生委員会のメンバーの健康に対する意識だという。まずは健康経営を推進する立場のメンバーが、健康課題に積極的に取り組もうということで、衛生委員会のメンバー数人で東京都総合組合保健施設振興協会が主催するミニマラソン大会に出場。事前に休日に練習を重ねるなどして、5kmの種目を参加者全員で完走した。
また、健康経営の取組を各支店でもより積極的に行うために、健康経営推進をサポートする従業員を1名任命。主に、健康診断を誰がいつ受診するか、日程を取りまとめ、本社へ報告する役割を担っている。これにより、これまで100%に達していない健康診断受診率を改善することが狙いだ。
今後は、アンケート数値の改善が見られなかった喫煙、飲酒に関して継続して取り組んでいきたいところだ。加えて、健康経営の意義や衛生委員会が行っている取組を今以上に社内に浸透させ、従業員全員が参加するイベントを実施するなど、もっと全社的な取組を行っていきたいと日下部氏。
「衛生委員会が日々どんな取組をしているのか、まだまだ理解していない従業員も多いと感じます。衛生委員会の取組は従業員の皆さんの健康のために、また働きやすい環境づくりのために行われているのだ、と理解してもらえるように周知をしていきたい。そして今年は、東京都電機健康保険組合が開催するウォーキングイベントに参加したいと考えています。できる限り多くの従業員にイベントに参加してもらって、楽しみながら、会社全体で健康経営に取り組んでいきたいですね」(日下部氏)
健康経営に取り組み始めて2年。健康経営推進のための土台ができ、また健康経営推進メンバーの士気も高まっている栄電子。この熱意を全従業員に浸透させて、同社社長が目指す「社員が心身ともに健康で、一人ひとりがその個性と能力をフルに発揮できる状態」を目指していく。
健康経営エキスパートアドバイザーより