東京商工会議所

株式会社HRC

社内の健康課題解決に向けた
取組を顧客にも展開

  • 女性の健康
  • がん検診
  • 喫煙
  • こころの健康

株式会社HRC

本社: 東京都豊島区高田3-14-29 KDX高田馬場ビル5階

代表者名: 代表取締役 中沢 宏 氏

設立: 2015年

従業員数: 50名

事業内容: 補正下着、美容関連商品等の企画開発・通信販売

 「全ての女性に生き生きと輝いていてほしい。本来の美しさと自信を引き出すために、一緒に考え、一緒に前へ進む伴走者でありたい」との思いのもと、女性の悩みに寄り添い、自信が持てる暮らしをサポートすべく、補正下着、美容関連商品の開発・販売を行っている。

専門家派遣制度を利用した期間

2020年11月~2021年3月

支援専門家

産業医

専門家派遣制度を利用したきっかけ

自社の健康経営の取組を、さらに充実させるために専門家のアドバイスがほしい。

同社は、経営理念である「“理想の姿”を叶える」を実現し、顧客の生活になくてはならない存在、顧客の一番近い存在になるためには、 社員が心身ともに健康であることが重要であり、個々の持てる能力を存分に発揮することが必要不可欠との考えから、健康企業宣言を行い、健康経営に積極的に取り組んでいる。
また、若年世代の女性社員が多く、自社商品として女性下着を取り扱うことからも、ピンクリボン活動に参加している。さらに、乳がん・子宮頸がん検診の奨励と、会社による費用負担の制度もあり、例年受診率は高い。また、年齢を重ねても安心して働き続けられるよう、勤続年数や年齢に応じて、性別に関係なく人間ドックの費用負担も行っている。
健康経営に取り組み始めてから1年間、外部サービスを利用した昼食・間食のサポート、ミーティング時のストレッチ導入、自動販売機への飲料のカロリー表示など、自社でできる健康づくりのための機会や情報の提供を行ってきた。
さらに皆が楽しく取り組める工夫ができないかと考えていたところ、協会けんぽからの案内で専門家派遣制度を知った。
「外部の専門家の方のご意見や他社の情報を収集して、自社の健康経営をより良いものにしたいと思いました」と管理課の江澤歩氏は背景を語る。

当社ホームページ
同社ホームページ
専門家派遣による支援と取組
  • ● 長時間労働者に対する疲労蓄積度チェックリストを活用する仕組みの構築
  • ● 女性特有の疾病・妊娠出産に関するサポート
  • ● 喫煙対策に関するサポート

伊東明雅氏(産業医)は、ヒアリングにより、同社ではすでに社内のコミュニケーションが活発であり、乳がんに関する勉強会や、食生活改善を促す外部サービスの積極的な利用を行っていることを確認。さらに健康経営を推進するために、一歩進んだ取組、幅広い分野の取組について支援することとした。
まず、社員のメンタルヘルス対策として、長時間労働者(時間外労働45時間以上)に対する疲労蓄積度チェックリストを活用する仕組みの構築を進めた。現状では、過度な長時間労働は発生していないが、今後の事業拡大に備えての取組である。
さらに、従業員の属性や健康課題を鑑み、女性特有の疾病・妊娠出産に対する教育やさらなる就労環境整備、喫煙対策に関する情報提供および禁煙治療に対するサポートを進めた。
特に女性特有の疾病に関する教育の取組については、確かな情報を収集できるよう、国立成育医療研究センターのプレコンセプションケアセンターや日本産科婦人科学会を紹介した。
また、社内勉強会を発展させ、顧客を巻き込む形で事業に反映できるよう、「乳がん予防のイベントを企画してみてはどうか?」など、具体的な専門家の助言をもとに、自社に合った取組を検討した。

取組による効果、今後の展望
  • ● 健康経営の取組を社内外に発信でき、自社のアピールにつながった。
  • ● 「健康経営優良法人」認定を受けることができた。

5回の専門家による支援の後に、アドバイザーから紹介を受けた乳腺専門医と事前に入念な打ち合わせを行った上で、社員と顧客を対象に、乳がんに関する学習を行う「ピンクリボンセミナー」を開催した。ウェビナー形式で全国から参加があり、医師から正しい知識とセルフチェック、最新の検査・治療法などを学び、改めて社員の健康意識の高まりを感じるとともに、顧客からも好評価を得た。
専門家による支援により、同社の目指す「女性の悩みに寄り添い、社員も顧客もいきいきと過ごす」ための情報収集と社内外への発信を実現することができた。江澤氏は「定期的に健康経営に関する情報を提供くださり、これらの情報をもとに新たな取組を考えることができました。大変ありがたいです」と感想を話す。
また、取組を踏まえて健康経営優良法人2021に応募し、認定を受けることができた。
「引き続き、健康かつ安全に長く働ける環境づくりを推進し、企業の生産性や価値の向上を目指します」と今後の意気込みを語った。

オンラインピングリボンセミナー
オンラインピングリボンセミナー

健康経営エキスパートアドバイザーより

  • 担当者との打ち合わせでは、健康経営推進への意気込みがしっかり伝わってきました。経営層の意識を高く保ち、従業員を巻き込む働きかけが行われており、ステークホルダーを意識した企画を提案しました。
    今後さらに健康経営の取組を深化させるため、事業拡大や従業員の定着に伴う将来的な健康課題を見越し、解決したい経営課題に対してストーリー立てし、有用サイトの活用や専門家との連携のもと、PDCAをまわしていくことが期待されます。
  • 伊東 明雅 氏(産業医)
(取材:2021年11月)