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【2006年9月20日(水)】
経済成長なくして財政再建なし
企業の競争力強化促す税制を求める
 東京商工会議所は14日、税制委員会(委員長=池田守男副会頭・資生堂相談役)と事業承継問題委員会(委員長=神谷一雄特別顧問・松久社長)が取りまとめた「平成19年度税制改正に関する要望」を決議した。今後、政府・政党はじめ関係先に提出し、要望内容の実現を働きかける。今回の要望は、「経済の成長なくしてわが国の財政再建なし」という考え方を基本スタンスとして、「企業の競争力強化」「中小企業や地域経済への支援」「経済社会の変化への対応」の3点を柱に構成している。
基本スタンス
 政府は、今年7月の「骨太の方針2006」で、2011年度までの基礎的財政収支の黒字化に必要な額(16・5兆円)の7割以上を歳出削減で、残りを増税で賄うとしている。一方、東商は同じく7月の「日商政策アピール」のとおり、「財政再建は、安易な増税に頼ることなく、一層の歳出削減と、極力高い経済成長による税の自然増収により達成が可能」という立場に立つ。今回の要望は、この基本スタンス「経済の成長なくしてわが国の財政再建なし」のもと、3つの視点から取りまとめた。
 企業の競争力強化
 第1の視点は、「企業の競争力強化」である。わが国の経済が活力を維持していくためには、今後、活況を呈するアジアなどのダイナミズムを取り込んでいく必要がある。そのため、企業の国際競争力強化に向けた取り組みが不可欠となる。
 この観点から、アジア諸国と比較して依然として高めといわれる「法人実効税率の引き下げ」や「減価償却制度の抜本的な見直し」を求めているほか、1400兆円を超える個人の金融資産を貯蓄から投資へと促し、企業の資金調達を円滑にする観点から「金融所得課税の一体化」を求めている。さらに、わが国企業の国際競争力を阻害する恐れのある「環境税の導入反対」も訴えている。
 中小企業や地域経済
 への支援
 第2の視点は、「中小企業や地域経済への支援」である。依然として景気拡大の実感に乏しい中小企業や地域経済が、自らの資源や創意工夫により自立的な回復軌道に復帰し、景気拡大の恩恵があまねく波及するよう、税制上の支援策を講じることが必要である。
 具体的には、まず、「特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限措置」や「留保金課税」など、中小企業の意欲を阻害する税制措置の廃止などを求めているのをはじめ、今年度末で期限切れを迎える「エンジェル税制」や「中小企業等基盤強化税制」について、その拡充や適用期限の延長を求めている。
 また、事業承継に係る税制では、「包括的な事業承継税制の確立」をはじめ、会社法施行により活用範囲が広がった種類株式について、評価方法の明確化を求めるとともに、相続時精算課税制度が事業承継に活用しやすくなるよう、贈与者の年齢要件の緩和などを要望している。
 さらに、地域経済の回復を支援する観点から、土地・住宅関連税制について、「事業用資産の買換え特例」や「都市再生に係る特例措置」の延長などを求めている。
経済社会の変化への対応
 第3の視点は、「経済社会の変化への対応」である。税制は、広く民間の経済活動のありようを規定し、社会構造の形成に大きな影響を及ぼす側面を持つことから、少子高齢化や人口減少など、経済社会の変化も視野に入れた制度の見直しが必要である。
 ここでは「児童税額控除の創設」をはじめとする個人所得課税の見直し、「会社法の施行に伴う税制措置の整備」や「税法上の親族概念の見直し」、さらに「企業年金・退職金制度に係る税制の見直し」などを求めている。さらに、税制委員会や支部との懇談会などで意見が多くなっている「納税者番号制度の早期導入」や「電子申告・納付制度の普及促進」のほか、徴収事務の民間への業務委託、収納方法の拡大などによる「地方税に係る税務行政の効率化」を要望している。
担当:産業政策部  (TEL)03-3283-7623
関連ページ
 ●●平成19年度税制改正に関する要望