東商の活動

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金融部会講演会「内外経済の展望~人口減少と日本経済~」(講師:吉川洋氏)を開催しました

2017年1月19日
東京商工会議所
中小企業部
講演する吉川氏

講演する吉川氏

金融部会(部会長=塚本隆史特別顧問・みずほフィナンシャルグループ常任顧問)は
1月19日、立正大学経済学部教授の吉川洋氏を講師に招き、講演会「内外経済の展望~人口減少と日本経済~」を開催し、171人が参加しました。

吉川氏は世界経済の先行きが不透明な中、長期的な視点で日本経済が取り組むテーマを中心に解説しました。
日本の格差拡大に対して、高齢化を背景に所得分配の不平等率を表すジニ係数が上昇傾向にあるとした上で、「格差を緩和するための社会保障制度が破たんしていることが問題」と指摘。社会保障の歳出を保険料や税金だけで賄いきれず、赤字国債で補っている現状を「社会保障のファイナンスの穴が財政赤字の根源につながっている」と強調しました。また、さらなる膨張が見込まれる社会保険料の負担の矛先について、所得税の累進課税制度が崩れつつある現状に触れ、「消費税を引き上げ、個々が本来支払う生涯負担額を納めるべきだ」との考えを示しました。

人口減少と経済成長の相関性については、1950年代以降労働力人口の伸び率に対してGDPは約10倍成長している点に言及し、「人口減少による経済衰退を超える労働生産性の向上が重要である」と述べました。その上で、「日本企業はイノベーションを起こし、付加価値を上げる発想に転換していくべきだ」と指摘しました。参加者からは「税金と社会保障の関係がよく理解できた」
「経済成長は人口ではなくイノベーションであるという事が分かった」といった声がありました。

今後も金融部会では、皆様のビジネスに役立つ情報提供をしていきます。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 大矢・湯木
TEL 03-3283-7724
FAX 03-3283-7235