会頭コメント

会頭コメント

平成22年度税制改正大綱について

2009年12月22日
東京商工会議所

新政権下で初めてとりまとめられた平成22年度税制改正大綱において、わが国経済の早期回復の実現に向け、中小企業の活力強化に資する税制措置が講じられた。とりわけ、平成18年度の制度創設以来、商工会議所が要望してきた「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止」が実現されたことは朗報である。
 また、苦境の中で果敢にチャレンジする中小企業にとって不可欠な中小企業投資促進税制や少額減価償却資産特例等が、縮減されずに延長されたことを評価したい。さらに、グループ法人税制の整備にあたって、親会社の資本金が5億円未満の100%子会社については、中小企業向け特例の適用が維持できるようになったことも歓迎したい。
 一方、中小企業の軽減税率の引下げや事業承継税制のさらなる拡充については、検討事項になったが、早期の実現に向け、税制調査会はじめ関係各位のより一層のご尽力を期待している。
 地球温暖化対策のための税について、「平成23年度実施に向けた成案を得るべく、更に検討を進める」とされているが、まずは総合的な地球温暖化対策が検討されるべきであり、その上で、国民・事業者の意見をよく聞きながら、その導入の是非等について慎重に議論がなされる必要があると考える。
 揮発油税等の現行の暫定税率が廃止され、当分の間、税率水準が維持されることについては、わが国の財政状況が危機的な状況に陥っている中、責任ある経済財政運営を行う観点からのやむを得ない決定と受け止めている。なお、原油価格の異常な高騰が続いた場合には、ガソリン税等の本則税率を上回る部分の課税の停止など適切な対応を期待している。

以上