小さな会社を強くするマーケティング

第1回 小規模を「チカラ」に変えよう

平成29年1月17日

 日本の企業数の99.7%が中小企業だ。地域経済が元気になるためには、小さな企業が元気になる必要がある。この連載では、小さな企業のマーケティングの方向性を検討していくことにしよう。

小さいことは、いいことだ


 昨今の大企業の不振からも示唆されるように、規模の大きさは「強さ」に直結しない時代がきている。逆に、経済の成熟化、需要の多様化、人口減少といった時代のトレンドは、小さな企業にとって「追い風」となり得る。「小さいことはいいことだ」の時代かもしれない。
 とはいえ、景況調査などをみると、多くの小規模企業が不振だ。追い風が吹いているにも関わらず、元気がないのはなぜだろうか。
 その要因のひとつが、小さな企業の多くが、時代の追い風を生かし切れていないという現実だ。ここで、海に浮かぶ「小さなヨット」をイメージしてほしい。いくら追い風が吹いても、帆を上げなければ前に進むことはできない。小さな企業も同様だ。時代の追い風を受けとめるためには、適切に帆を上げて、風を受けとめることが不可欠である。では、どうすべきか。


小さな店の強みは「  」である


 全国の消費者1000人に、空欄に自由に言葉を入れてもらった。結果は表のとおりだ。
 圧倒的に多くの人が入れた言葉は、「個性」である。さらに、「独自性」「こだわり」といった類似の意味をもつ単語を上げる消費者も多い。
 一方、消費者が大きな店の「強み」をどのように認識しているのかを聞いたところ、「品揃えの量」「総合性」「価格の安さ」といった次元に集約されることがわかった。
 注目すべきは、小さな店の強みとして挙げられた言葉と、大きな店の強みとして出てきた言葉が、全く異なるということである。そう、小さな企業は大企業の「小型版」ではない。小さな企業には、小さな企業のマーケティングがあるということだ。


  
  

小規模を「強み」に変える3つの力


 消費者データを統計的に分析したところ、小さな企業が顧客を引きつけるためには、3つの力が必要になることが分かった。
 第一は「ほんもの力」(個性、こだわり、専門性から構成される力)。第二は「きずな力」(顧客や地域との絆を太くする力)。第三は「コミュニケーション力」(人を通じてコミュニケーションする力)だ。
 「ほんもの(Authenticity)」「きずな(Bond)」「コミュニケーション(Communication)」、英語の頭文字は、A、B、Cである。潜在的な「小規模力」を現実の「チカラ」に変えるためには、A・B・Cの力が柱になる。
 この3つの力を高め、相乗効果を生み出していくことができれば、小さな企業は時代の「追い風」を確実に受け止めることができるはずだ。
 規模が小さいことを逆手にとって、強みに変えることができた企業は、簡単には競争の波に飲まれることはないだろう。



執筆者:岩崎邦彦
静岡県立大学教授・学長補佐・地域経営研究センター長。専攻はマーケティング。著書に「小が大を超えるマーケティングの法則」「引き算する勇気:会社を強くする逆転発想」「小さな会社を強くするブランドづくりの教科書」(いずれも日本経済新聞出版社)などがある。

掲載:東商新聞 2016年7月10日号




入会のご案内

東商学生サイト

職員採用のご案内

東商 社長ネット

東商プロモーションムービー

中小企業向けBCPマニュアル

声かけ・サポート運動

ザ・ビジネスモール

「売りたい!」「買いたい!」を無料でPR。商品やサービスを登録して、販路開拓に!

ザ・ビジネスモールへ

福利厚生制度の充実

宿泊・レジャー等50,000以上のメニューを割引!

CLUB CCIへ

共済

医療・がん・労災などスケールメリットを活かした割引料金で大きな保障・ワイドな安心

共済へ

各種証明の発行

原産地証明、インボイス証明、サイン証明など各種証明を発行しています。

各種証明の発行

女性会

青年部

施策・支援情報 都・区など中小企業のお知らせ