会頭コメント

会頭コメント

平成23年度政府予算案について

2010年12月24日
東京商工会議所

 来年度予算案で、「元気な日本復活特別枠」として新成長戦略に資する施策に重点配分が行われたことは、政府の意気込みを示すものであり期待したい。科学技術振興費が増額されたことも心強く受け止めている。また、資金繰り支援や経営力強化に加え、海外展開支援に手厚い予算措置を講じるなど、厳しい経営環境下にある中小企業に目配りされたことも評価できる。
 一方、新規国債発行額の抑制など、財政運営戦略の目標を遵守したことは望ましいが、税外収入に頼る一面に加えて、基礎的財政収支の赤字額は約23兆円に及ぶなど、財政構造上の課題も残されている。税財政と社会保障制度の一体改革について、速やかに方向性を示すことが求められる。
 デフレからの脱却と需要創出は急務の課題である。新成長戦略に沿って、23年度予算が新年度から直ちに執行できる態勢を固めなければならない。国会において、国民目線での建設的な議論が交わされ、関連法案を含めて来年度予算が早期に成立することを強く望みたい。

以上