政策提言・要望

「平成29年度税制改正に関する意見」について

平成28年9月8日
東京商工会議所
産業政策第一部

 東京商工会議所(三村明夫会頭)は、本日開催の第687回常議員会にて、税制委員会(委員長:田中常雅副会頭・醍醐ビル社長)がとりまとめた標記意見を決議しました。
 意見書では、中小企業が、雇用を通じて地域経済や財政に大きく貢献している実態や、大企業とは異なる中小企業の特性を示したうえで、中小企業が、その多様性を生かし、活発に活動できる環境整備として、中小企業の特性に着目した税制の実現が必要であると主張しております。
 具体的には、「円滑な事業承継の実現に向けた税制の抜本的な見直し」、「中小企業の特性に着目し、成長戦略と一体となった税制の実現」を要望するとともに、消費税率引き上げ延期に伴う課題として、平成31年10月の消費税率10%引き上げの確実な実施等を求めています。
 詳細につきましては別添資料をご覧ください。

<主な内容>

Ⅰ.円滑な事業承継の実現に向けた税制の抜本的な見直し
○わが国経済の持続的成長のためには、中小企業が成長し、事業を円滑に継続することが不可欠
○経営基盤を損なうことなく、円滑な事業承継を実現するため、取引相場のない株式の評価方法は、会社の清算価値ではなく、ゴーイングコンサーンを前提とした評価方法に見直すべき
○取引相場のない株式の評価方法における当面の改善点(類似業種比準価額方式の見直し、等)
○事業承継税制の抜本的な見直し(納税猶予割合の100%への引上げ、雇用維持要件の緩和、等)

Ⅱ.中小企業の特性に着目し、成長戦略と一体となった税制の実現を
○中小企業税制は、円滑な事業承継の実現、財務基盤の強化、生産性向上等、中小企業の活力を強化する観点から、成長戦略と一体で検討すべき
○中小法人の軽減税率は、財務基盤の強化のため、税率15%を維持したうえで延長すべき
○中小企業投資促進税制は、上乗せ措置を含め、延長すべき。サービス産業の生産性向上に資する、器具備品、建物、建物附属設備など対象設備の拡充が必要
○外形標準課税の中小企業への適用拡大、欠損金繰越控除の制限、留保金課税等、中小企業の経営基盤を毀損する税制措置への反対

Ⅲ.消費税率引き上げ延期に伴う課題
○消費税率10%への引き上げは、持続可能な社会保障制度確立のために必要。平成31年10月の税率引き上げを確実に実施できる経済環境の整備が重要
○消費税率引き上げ延期を受け、軽減税率の導入は、ゼロベースで見直すべき
○インボイス制度の導入にあたっては、軽減税率制度の導入後、十分な期間を設け、廃止を含め、慎重に検討すべき

Ⅳ.企業の活力強化、地域活性化に資する税制措置
○中小・中堅企業の研究開発を後押しする観点から、研究開発税制を拡充し制度全体で恒久化すべき
○特定の事業用資産の買換えおよび交換の場合の譲渡所得の課税の特例の恒久化

Ⅴ.平成28年熊本地震からの復旧・復興、防災・減災に向けた取り組みへの支援

Ⅵ.女性の活躍促進・子育て世代の支援に向けた制度の見直し
○配偶者控除等の見直しにあたっては、多くの子育て層が含まれる低所得世帯の負担軽減のため、基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除を一本化し、税額控除制度に移行すべき

以上

【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
産業政策第一部
担当 白井、高野、宮澤
TEL 03-3283-7844