企業と従業員を守るメンタルヘルス

第1回 メンタルヘルス対策は業務のひとつ

平成28年8月2日

職場のストレス問題が深刻化するなか、労働安全衛生法の一部を改正する法律が成立しました。2015年12月から、従業員50人以上の全ての事業所に対し「ストレスチェック」が義務化されたのに伴い、中小企業ではどのようなメンタルヘルス対策を構築すべきかについて、その実務を解説していきます。(全6回)

 国は、2013年から5カ年計画で策定した第12次労働災害防止計画の中で、重点対策としてメンタルヘルス対策を唱え、昨年改正された労働安全衛生法では、ストレスチェックが義務付けられた。それを受けて中小企業では、どのようにメンタルヘルス対策を構築していくべきか、その実務を解説する。


直面する労務リスク


 労働者、消費者の権利意識が高まり、企業は今、さまざまな場面で変容を求められている。企業の社会的責任(CSR)、それに伴う安全配慮義務も、以前にもまして叫ばれるようになった。企業では、ダイバーシティ、グローバル化とならんで、適切なメンタルヘルスケアが最重要課題として挙げられている。
 また、新たな企業リスクとして着目されるのは、従業員とのトラブルだ。うつ病で退職した社員が、パワハラを受けていた、過重労働させられていた、といった事案を掲げ、弁護士を連れて戻ってくる、といったことはもはや珍しくない話である。会社に申し出てくれるならばまだいいが、公的な相談窓口や、怪しげな私設相談所(合同労組、個人ユニオン)のようなところに行かれては、企業にとって好ましい事態ではない。訴訟になれば長引き、費用も掛かり、インターネットの台頭により、SNSなどで内部にも外部にも、一夜にして情報は拡散される。結果として、株主、取引先、顧客、従業員の知るところとなり、長年築き上げた信用や実績を、一夜にして失うことになるのだ。うつ自殺ともなれば、遺族とも向き合わねばならず、初めてのことに企業は右往左往することになるだろう。


メンタル対策は「業務」


 メンタルヘルス対策は、人事・労務部門にとって従来の業務とは違い、まったく新しい仕事として向き合わねばならず、まだそのノウハウが、(大企業を除いては)蓄積されていないため、体系的に学ぶ機会が少ない。メンタルヘルスと聞けば、病人が出るたびに振り回されるというイメージが強く、「定型業務」ではなく「突発的作業」として感じる担当者が多いであろう。
 また、多くの中小企業では、メンタルヘルス対策が経営戦略に結びついていないため、何のためにやるのか、どこまでやるのか、という業務のグランドデザインを描けておらず、予算も人員も確保できない、というケースが見受けられる。
 まずは、メンタルヘルス対策を「業務」と考えるところから始めていただきたい。これは経営者の旗振り以外に方法は無く、大いに期待したいところである。「業務」であるならば、経営戦略と無関係なものは無いはずである。経営戦略に基づいた人事戦略があり、人事戦略に基づいた労務戦略の中のひとつとして、メンタルヘルス対策がある。そのように捉えれば、労働安全衛生法に則った各種のルールをもって、日常の衛生管理や不調者の取り扱いを定型化することができ、その一方で、いま健康で頑張ってくれている従業員に対する、各種の予防策を講じることができるようになる。


 
 


執筆者:根岸 勢津子
プラネット社長。企業防衛の視点に立ったメンタルヘルス対策の専門家として上場企業70社を含む指導先は100社を超える。

掲載:東商新聞 2015年9月10日号




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