政策提言・要望

苦境を乗り越え地域の新しい共栄を目指す‐地域新時代の活性化戦略‐

平成11年1月21日
東京商工会議所

はじめに

 いよいよ新しい世紀へのカウントダウンが始まった。来るべき21世紀に向けて、わが国が熾烈なグローバル競争に打ち勝ち、国民や企業が将来に意欲と希望の持てる社会を構築していくためには、今、直面している短期的・中長期的な課題に積極的に取り組み、これを乗り越えていかなければならない。
昨年来、日本経済は戦後最悪と言われるほどの危機的な状況に追い込まれている。われわれが最優先で取り組むべき課題は、この経済危機から早急に脱却し、国民や企業の将来への不安感を取り除き、明日への活力に結びつけていくことにある。政府は昨年11月に決定した緊急経済対策を迅速かつ確実に実施するとともに、必要とあれば、今後も随時適切な対策を打ち出していくべきである。
一方、経済社会の成熟化や市場原理の徹底、情報革命の進展、少子・高齢化社会の到来など、われわれを取り巻く環境は大きく変化している。そのため、これまでわが国を支えてきた中央主導・地方追従型システムは、いたるところで制度疲労をおこしており、中長期的には抜本的な構造改革は避けて通れない。地方分権や規制緩和など行政改革を徹底し、「国と地方」「官と民」の役割分担の明確化を図り、小さく効率的な政府を実現していくべきである。
特に、地域住民に身近な地方自治体には、魅力ある地域社会や地域住民が幸せを追求できる生活環境などについて、責任を持って主体的に整備していくことが求められており、その実現に向けて商工会議所の果たす役割も一層高まっている。
そのため、われわれは、「地方分権の推進に伴い、地域経済社会や地域の中小企業がいかに活力を発揮していくべきか、また、そのためにどのような環境整備が必要か」との問題意識に立って議論を重ね、このたび提言として取りまとめた。
地方自治の確立には、なお、多くの困難が伴う。しかし、地方は創意と工夫で、個性あふれ住みやすい地域づくり、まちづくりに取り組んでいかなければならない。それは一方で、地域間競争が激化し、よりよいサービスや暮らしを求めて住民が地域を選択できるようになることをも意味する。地方自治体や地域住民などは、こういった時代の変化を認識し、今まで当然のように受け容れてきた横並び意識から脱却しなければならない。それぞれの地域が、これだけは他の地域に負けないという個性化・差別化を図るなど、お互いに切磋琢磨しながら、共栄していく時代が到来しようとしている。

1.新たな地方自治の確立

 個性あふれる地域社会を構築し、生活者の真の豊かさを追求するため、中央集権を改め、地方自治体の自主裁量権・自主財源を拡充すると同時に、行財政改革を進め、自己責任原則に基づいた地方自治を確立する。

●国と地方の役割分担の明確化
わが国は明治時代以降、中央集権的な体制により、いち早く近代化に成功した。しかし今日、個性にあふれ、生活者が真の豊かさを追求することができる地域社会を構築するため、地方がその基盤づくりに主体的な役割を果たすことが求められている。そのため、国は地域間格差の調整などの役割を果たしつつも、国家としての必要最低限の機能に純化し、地方自治体は自主裁量権を拡大することで、地域の自己責任原則に基づく政策運営へ転換することが必要である。

●地方自治体の行財政能力の向上
そのためには、地方分権の受け皿として地方自治体の行財政能力の向上が必要であり、将来の道州制導入を展望した対応が必要である。その過程において、当面、財政危機が深刻化する中で、地方自治体が自らの破綻を回避し、主体的に地域行政を運営するためには、経済圏を踏まえた広域連携や市町村合併を進め、適正な人口規模(地域特性に応じて20万~50万人程度)を確保することが不可欠である。国としても、合併後の地方自治体に対して、その地域振興への支援を充実するなど、合併の促進を図ることが求められる。
同時に、地方財政に自主性と責任が認められなければならない。すなわち、地方税中心の税制に改革し、地方自治体の主体的な課税への関与を拡大するとともに、国による地方債の起債許可制度を廃止し、地方債の市場化を図る必要がある。
加えて、地方自治体は、住民参加に基づく行政運営のために、地方議会の行政監視機能を強化したり、情報公開を進めなければならない。また、地方財政に企業会計原則の考え方を取り入れるとともに、非効率な外郭団体の整理や民間委託を推進し、地方自治体の行財政改革を進める必要があろう。

2.地域の活性化戦略

(1)21世紀に向けての新たな社会資本整備

 わが国は21世紀に向けて、生活者の視点から地域を活性化させる新たな社会資本整備を、経済波及効果の大きい分野で積極的に進める必要がある。

●生活者の視点での新たな社会資本整備
21世紀に向けて、国民がゆとり・豊かさ・生きがいを追求できる社会を実現するためには、生活者の視点から地域を活性化させる新たな社会資本整備を積極的に進める必要がある。
すなわち、新たな社会資本の整備とは、地域住民自身が、自ら描いた地域の将来像に向けて、地域を発展させるとともに、産業を振興させるにはどうすべきかを考え、その実現をバックアップするようなものでなければならない。また、その際、商工会議所をはじめ、NPO(非営利団体)などが地域住民主導の推進体制をつくるために、積極的な役割を果たしていくことが極めて重要である。

●21世紀に向けて整備すべき重点分野
これからの公共投資は、①情報通信(光ファイバー通信網等)、②高速交通(高速自動車道や基幹空港等)、③住宅環境(アーバン住宅建設構想や下水道・都市公園等)、④高齢者対応(効率的な医療・介護・福祉施設やバリアフリー型の公共交通や建築物等)、⑤教育(少子化を踏まえた学問・教育施設等)、⑥環境(ゼロエミッションを踏まえたリサイクル施設や廃棄物処理施設等)、さらには、⑦防災(電線・電話線等の地中化を含む災害に強い共同溝等)など、生活者への関わりが深く、かつ、経済波及効果の大きい分野におけるインフラ整備を優先的に推進する必要がある。
例えば、静岡県掛川市では、住民の多くが地球環境や河川浄化に関心をもち、その活動に参加してくれるよう、し尿処理施設と生物循環(エコサイクル)学習展示施設が一体となった「生物循環パビリオン」を市の中心部に建設している。
また、政府が昨年11月に発表した緊急経済対策において、生活空間活性化策の一つとして掲げている「生活空間倍増戦略プラン」も注目される。地方は、この戦略プランを地方の活性化のために有効に活用すべきであろう。

公共事業の効率化と地方の自立のためには、地方主体の事業推進体制を確立するとともに、地方が主体的に財源を手当てできる仕組みや、民間の資金・ノウハウを活用する手法を早急に導入する必要がある。

●効率的な公共事業
わが国の公共投資は、これまで、国民のナショナル・ミニマムを実現するうえで、一定の成果を上げてきたといえる。しかし、今日の公共事業は、地域の住民のニーズや希望を必ずしも十分に反映して行われているとは言えず、結果として、非効率なものになっていることが指摘されている。そして、そのことが、ひいては、地方の自立的な発展の妨げともなっている。
このような状況を打開し、効率的な公共投資を行うためには、総合的な費用便益分析に基づき、地方が主体となって事業を推進する体制を早期に確立しなければならない。加えて、国および地方自治体は情報開示を積極的に進めるとともに、地域住民による公共事業の事前・事後評価制度を導入する必要がある。また、財政面では、地方分権推進委員会の第五次勧告で掲げられている統合補助金の創設や、補助金の一般財源化を進めることはもとより、地方が自ら財源を調達できるような仕組みづくりも焦眉の急である。
現在、国会等では、英国におけるPFI(Private Finance Initiative)の成功例を踏まえ、民間の資金・ノウハウを活用して公共施設などを整備・運営する手法(日本版PFI)が議論されているが、効率的、かつ創造的な社会資本整備を行うためには、是非とも早急に法制化すべきである。しかし、その際、「第三セクター」で事実上破綻しているケースが多いことを踏まえ、あくまでも民間企業が事業主体となることや、事前に官と民のリスク分担も明確に決めておくことが極めて重要である。また、新たな社会資本整備がこのような方法によって積極的に実施されるためには、税制面での優遇措置など、民間事業者にもインセンティブを与える仕組みが必要である。

(2)地域住民による魅力あるまちづくり

 地域活性化のため、魅力あるまちづくりを行っていくことが重要である.地域住民の意見を十分に反映した明確なまちづくりのビジョンを構想し、地域の独自性を高める工夫をすべきである。

●地域住民の意見を十分反映したまちづくり
わが国では、多くの地域で過疎化が深刻な問題になっている。したがって、今後の少子・高齢化社会において重要な役割が期待される高齢者や女性の活力を十分に引き出し、自分たちのまちに魅力を感じる地域社会を創造することによって、外からも人を呼び込めるようにしなければならない。
そのためには、自分の暮らすまちを、どのようにしたいか、という地域住民の意思を十分に尊重して、まちづくりを行う必要がある。地方自治体としては、地域住民による討論の場を設けるなど、まちづくり計画に地域住民の意見が十分に反映されるようにしなければならない。そして、まちづくり債のように地域住民や企業から直接資金を募るシステムの導入も、地域住民の参画意識を高めるために有効な方策である。

●地域の独自性を発揮したまちづくり
まちづくりを推進するうえでは、それぞれの地域が持つ地域特性を最大限に活かした取り組みも欠かせない。例えば、地域の商工業や農業、公共の研究機関などが互いに連携することによって、異業種の技術やアイディアを相互に組合せ、新商品の開発を行うことが可能となる。また、国際交流を行う場合でも、地域の特性を発揮させるためには、明確な目的意識をもつべきである。例えば、静岡県掛川市がアメリカ・オレゴン州に設立した生涯学習村や、栃木県足利市とイタリア・コモ県との繊維を中心とした経済交流の事例などが参考となる。
そして、まちづくりにおいては、とりわけ大分県の湯布院等にみられるような有能なリーダーを地元で育てることが不可欠である。他地域との人材交流を行いながら、地域塾やまちづくり塾のような活動を通して、地域に根付いたまちづくりの専門家を育成することが重要である。

まちづくりを進めるにあたっては、中心市街地の活性化が欠かせない。そのため、中心市街地において居住環境を大幅に改善する必要がある。あわせて、計画的な土地利用に関する総合的な法制度を整備すべきである。

●中心市街地の活性化策
「まちの顔」とも言われる中心市街地は、地域の伝統・文化が根付く地域の核としての存在であり、その活性化がまちづくりには重要である。そこで、中心市街地において低層部分が店舗で、上層部分が住居の高層商店街や、三世代住宅を建設したり、老人ホームや託児施設などの公共施設を設置するなど、居住環境を大幅に改善し、居住人口を増加させる必要がある。そのためには、土地交換や共同建替えが促進されるような法制度の創設が検討されるべきである。また、自動車の普及に対応したアクセス道路や駐車場の整備、高齢者等にも便利な新世代路面電車の導入などを含む総合的交通システムの整備も急務である。

●まちづくりのための計画的な土地利用
地域が主体となり、都市中心部の空洞化への対処としてのまちづくりを推進するためには、計画的な土地利用(ゾーニング規制)を進めることが極めて重要である。このため、各地においては、都市計画法の「市町村マスタープラン」の策定を急ぐとともに、今回の改正で多様化された「特別用途地区」の積極的活用が望まれる。
一方で、都市計画法の適用範囲が限られていることや、複数の土地利用に関する法律が縦割り的に存在することもあって、わが国のゾーニング規制は「計画なきところに開発あり」との評価さえある。このため、欧米諸国の諸制度も参考とし、土地利用については「計画なきところに開発なし」を基本とする一元的な政策が実現できる法制度の整備を進めるべきである。
他方、多様な地域事情をより一層反映した土地利用規制を進めるためには、既に各地で先進事例が見られる「街づくり条例」の制定を、各地において、真剣に検討すべきである。この条例制定に際しては、地域総合経済団体としての商工会議所が地方自治体や住民と共同しつつ、強力な牽引役となる必要がある。

(3)地域中小企業活性化のための環境整備

 国と地方自治体は、地域中小企業の活性化のために、多様な資金調達の環境を整備するとともに、税制面からも支援すべきである。また、地方自治体や商工会議所は、地域の実情に合った手法で、起業を支援する必要がある。

●新規事業を支援する資金調達の環境整備と税制
21世紀の日本経済を活性化させるためには、中小・ベンチャー企業の育成が鍵となろう。国は、それら企業が、市場から直接資金を調達できる環境を整備するなど、資金調達を容易に、かつ、多様化させる新たな制度を検討すべきである。また、税制面でも、中小企業支援税制の拡充、事業承継税制の確立、ベンチャー事業を分社化する際の連結納税制度の導入、企業が投資家(エンジェル)となる際の優遇税制の適用等により、起業を支援すべきである。さらに、国には、通産省のシニアベンチャー研究会で検討を始めた、起業時の低利融資制度や、企業の従業員から起業家を生み出す環境づくりなどを、早期に実施することも望まれる。
一方、固有の技術を有する中小・ベンチャー企業には、事業化以前の段階から政府の資金援助を受けて、技術革新と事業化に取り組むため、このたび成立した新事業創出促進法に基づく中小企業技術革新促進制度(日本版SBIR)を積極的に活用することが期待される。同制度の実施にあたって、関係各省は、予算編成や運用面で連携し、中小・ベンチャー企業が活用しやすい環境を整備すべきである。また、同制度を地域企業にとって実効あるものとするため、商工会議所も民間の立場で運用改善を提言するなど、主体的な役割を果たしていくべきである。

●地域特性に応じた活性化の手法
地方自治体には、中小・ベンチャー企業の研究開発施設を受け入れる団地(リサーチパーク)をつくるなど、地域経済活性化を促進する産業インフラを整備することが望まれる。また、大都市においては、現在、都内などで各道府県が別々に展開する地方特産品展や物産店の統合を図り、国内外の顧客に、全国の産品を見学、商談、購買できるセンター(one stop shop/show case)を提供することが望まれる。このセンターは、地域間の相乗効果を生むうえ、各地域が弱点としているマーケット機能の強化にもつながろう。
商工会議所は、中小・ベンチャー企業に代わり投資家(エンジェル)を探したり、それら企業と投資家の出会いや異業種交流の場を提供するなど、地域企業が活動分野を広げるうえで、必要とする情報と機会を提供していくべきである。

国は、国公立大学に勤務する者の兼業を認め、産学官連携を促すべきである。一方、大学には、仮想事業(バーチャルビジネス)や社会人等を対象とした講座の増設など、起業家精神を醸成する役割を担うことが望まれる。

●産学官連携による活性化
新規産業創出のためには、産学官連携が一層重要になろう。まず、国は、国公立大学に勤務する者の兼業や企業設立を認めるべきである。この規制緩和は、大学と地域企業との産学官連携をもたらすことになろう。同時に、国は、大学の研究成果を外部へ移転し、その権利も大学、研究室、研究者で分配する機関(日本版TLO)の設立を推進すべきである。東北地方では、国立大学の教授が技術移転機関に出資し、大学の研究成果を企業に提供した例がある。
地方自治体は、私学も含め、大学を地域における技術の集積、触媒機関と位置づけ、地域の中小企業が大学の技術情報を自由に活用できる制度をつくり、産学官連携を図るべきである。
一方、地方の大学は、分野を絞り込んで施設を整備し、その分野に関心のある教授、研究者、学生を集めることも検討すべきであろう。福島県立会津大学のように、特色ある大学の誕生が、地域活性化に寄与した事例もある。この時、商工会議所は、大学と連携し、大学の人材を地域企業に供給する窓口となるなど、産学官連携が生まれる環境づくりを支援すべきである。

●大学による起業家精神の醸成
起業家精神を養う重要な役割の一端は、大学が担うことが望まれる。大学は、バーチャルビジネス等の講座を設け、学生に現実の産業界を題材として起業を思考させるとともに、学生が良い案件を具現化させる際に備えて、米国のビジネススクールのような支援基金も設立すべきであろう。また、大学には、社会人や主婦など学生以外が受講できる講座を増設し、地域住民が専門知識や技術を修得する機会を提供することも望まれる。異なる経歴を持つ者同士が集まる講座では、ニッチ分野で、新たな発想から起業の芽が生まれる可能性が増すであろう。
一方、中堅・中小企業には、学生が就職前に企業で仕事を体験するインターンシップ制度を通じて学生を受け入れるなど、若者の起業家精神育成に協力することが望まれる。同制度では、現在、主に大企業が学生を受け入れているが、通産省は、中堅・中小企業も受け入れやすいよう、費用の半額助成を検討している。商工会議所も、地域企業と大学を仲立ちするなど、同制度を支援すべきである。

地方自治体は、企業の情報通信部門等の誘致を検討すべきであろう。一方、中小企業は、情報通信網を活用し新規事業の機会を見出すべきである。

●情報通信網の活用による活性化
21世紀の企業にとって、情報通信網の活用は大きな戦略的課題である。まず、国と地方自治体は、過疎地の個人や企業がインターネット、宅配便、交通機関を活用して、他地域と連携した事業が展開できるよう、廉価な通信網と交通網を整備すべきである。また、地方自治体は、企業が顧客から電話やインターネットで相談を受ける窓口(コールセンター)などの誘致を検討すべきであろう。企業にとっては、一層の顧客重視を求められる中、多人数を要するコールセンターを、事業所の賃貸料や労務費が安い地方に立地する優位性は十分にある。
一方、中小企業は、インターネット上に自社のホームページを開設し、商品や技術に関する情報を発信するとともに、自社に対する意見や感想も収集し、市場に対する感性を高めていくべきである。また、中小企業は、共同でインターネット上に仮想の販売網や商店街(バーチャルモール)をつくり、参加企業同士の相乗効果によって、より広範囲の顧客を獲得することも検討すべきであろう。
商工会議所は、地域の中小企業に対して、情報通信網の有効活用やコンピューター西暦2000年問題に対する適切な対応を促すとともに、電子商取引(Elec-tronic Commerce)などの新たな情報手段の活用も啓発していく必要がある。

3.商工会議所の役割

 企業や地域が大きく変革を求められている今、商工会議所も時代にあった使命と役割を果たしていかなければならない。来るべき21世紀において、商工会議所は、地域や中小企業が活性化していくために、以下の点に重点を置きながら、活発に事業を展開し、地域総合経済団体としての存在意義を確固たるものにすべく、ここに決意を新たにする。

●商工会議所は、これまで以上に、中小企業支援策に関する政府への提言をはじめ、中小企業に対する企業経営のアドバイスやビジネスチャンスの拡大といった会員企業のニーズを的確にくみ取り、着実かつ迅速に実現していくため、強力な実行力を発揮していく。

●現在、国や地方自治体が実施している中小企業政策については、国や地方のスリム化、官と民の役割分担の見直しといった観点から、全てを官がやるのではなく、商工会議所に委託するなど民間団体を活用していくことが有効であり、商工会議所としてもこれを受け入れていく。

●商工会議所自身が、急速に進展する高度情報化社会に的確に対応するために、商工会議所情報ネットワーク構想(CIN構想)を高度化させるとともに、中小企業の情報化への取り組みを支援し、中小企業が自ら良質な情報の発信源となれるよう啓発していく。そして、商工会議所はこれまで蓄積してきた事業所情報をデータベース化し、地域内外の商工業者に有益な情報を提供するなど、戦略的な手段として活用していく。

●中小企業や個人事業主に加えて、地域住民、企業、従業員、地域コミュニティを含めた地域経済社会全体の利益や地域社会の持っている教育機能の向上などを考慮した活動に力を入れ、地域住民や企業などから信頼され親しみのある商工会議所を目指す。そのためには、個性あふれた住みやすいまちづくりを推進するタウンマネージメント機関(TMO)などの活動を行っていく。

商工会議所は、地域住民や企業など、地域における各界・各層の意見をタイムリーに吸い上げ、地域づくり、まちづくりに積極的に取り組み、それぞれの地域が住民にとって生き生きと学び、働き、暮らせる新しい楽園となるよう、地域新時代を支えていかなければならない。