再考 インフレ論

第1回 これまでの日本のインフレ

平成27年4月27日

物価上昇とは何を意味するのか、景気や企業経営、為替、金利等の経済要因とどのように関係するのか、さらにはインフレは経済にとって歓迎すべきものなのか等々、物価を多面的に紹介します。(全6回)

 過去四半世紀のうち、今日ほど物価の動きに関心が高まった時期はありません。一昨年12月からの第2次安倍政権下での大胆な金融緩和や日銀のインフレ率2%目標政策などにより、長らくマイナス水準が続いた消費者物価上昇率(除く生鮮食品)は昨2013年6月にはプラス圏に浮上。今年4月からの消費増税を受けて前年比で3.3%(14年6月)という水準まで上がってきました。
 物価の動きは経済の体温のようなもの、と言います。経済活動のレベルを如実に表すからです。本連載では、物価上昇とは何を意味するのか、景気や企業経営、為替、金利等の経済要因とどのように関係するのか、さらにはインフレは経済にとって歓迎すべきものなのか等々、物価を多面的に観察していきます。

 現在の経済政策は、人々の物価上昇期待に働きかけて個人消費や企業投資を刺激し、経済の好循環につなげようとしています。これは多くの人々に自然なものと受け入れられ、「景気拡大」と「物価上昇」の2つがワンセットで意識されています。
 私たちは、「景気のいい時には物価も順調に上昇している」と学びました。「景気の良さ」=「買い(消費、投資)が多い」=「物価は上がる」というわけです。「物価」と「景気」は本当にそのような関係にあるのでしょうか?
 グラフは、過去35年の消費者物価上昇率とGDPの伸びの対比です。①から④では、いずれも消費者物価が前年比で1.5%以上上昇しました。さて同じ時期にGDPはどのように動いたでしょうか? いずれも下がっています。物価上昇率が1.5%を越えた時期には、成長率は鈍化しているのです。「景気のいい時は物価が上がる」「物価が上がる時は景気は良い」ではなかったのでしょうか?
 ①は第2次オイルショックです。イラン革命をきっかけに原油価格が高騰しました。②は89年4月の消費税導入に伴うインフレです。同時に円安も進行しました(88年128円⇒89年138円)。③は消費税の引上げ(3%→5%)時です。円安も進みました(96年108円⇒97年120円)。④は記憶に新しいところ、中国、ブラジルなど新興国の急速な工業化で原油のほか小麦、大豆、非鉄金属など一次産品価格が高騰しました。
 私たちがかつて学んだ「物価上昇と景気拡大が同時進行」した時期は2002~07年と12~13年に見ることができる程度です。それも平均成長率は2%弱でしかありません。
 過去35年においては「インフレ」「景気拡大」が仲良く進行した時期はほとんどなかったといっていいのです。これをどう考えればいいのでしょうか?

年1.5%以上のインフレ時には常に景気は失速した
年1.5%以上のインフレ時には常に景気は失速した

(以下、次号に続く)


執筆者
株式会社金融データシステム 代表取締役 角川 総一

掲載:東商新聞 2014年8月10日号




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