政策提言・要望

平成21年度税制改正に関する要望

平成20年9月11日
東京商工会議所

 東京商工会議所(岡村正会頭)は、本日開催の第596回常議員会で、税制委員会(委員長:西澤宏繁、特別顧問、東京都民銀行相談役)と事業承継問題委員会(委員長:神谷一雄 特別顧問、松久社長)がとりまとめた標記要望を決議した。今後、政府・政党をはじめ関係先に提出し、要望内容の実現を働きかける。要望の主な内容は次のとおり。

提言要望

【基本認識】

○景気後退局面入りが明確になり、原材料価格の高騰にも耐え得る体質改善が求められるなか、今回の税制改正では、①景気再浮揚に向けた税制、②省エネ技術の開発・普及を後押しする税制、③「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」の確実な制度化をはじめとする中小企業の活性化・経営革新を促す税制の一層の拡充、などを求めている。

○また、社会保障制度の安定財源確保や財政健全化については、景気減速下の増税はかえって大幅な税収減をもたらすことから、あくまでも景気拡大による自然増収と徹底的な歳出削減努力を継続することで実現すべきとしている。
【要望事項】

 ○わが国の景気を回復軌道に戻す観点からは、①世界経済のダイナミズムを取り込むため法人実効税率(40.69%)を諸外国と遜色のない水準まで引き下げることや、②個人消費を拡大するために、期限切れを迎える住宅ローン減税を延長・拡充することや高齢者層から現役世代への資産移転を促す贈与税の基礎控除(110万円)の引き上げなどを、さらに③わが国の金融・資本市場を強化するために、金融所得課税の一体化を一層加速することや確定拠出年金の拠出限度枠の拡充、高齢者投資マル優制度の創設などを求めている。

○原材料価格の高騰にも耐え得る体質への転換を図る観点からは、激変緩和措置として急激な価格高騰に対するエネルギー関係諸税の一時的な引き下げも視野に対応するとともに、低炭素社会の実現に向けて、環境税のような新たな税負担を求めるのではなく、省エネ技術や新エネルギーに係る研究開発への減税や、省エネ型製品への買換えを促す税制、家庭向け太陽光発電機器の税制優遇措置の創設など、省エネや新エネ投資へのインセンティブを付与する税制を求めている。

○中小企業の活性化を促す観点からは、法人税の軽減税率(22%)の引き下げ及び適用所得金額(800万円)の引き上げをはじめ、特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限措置の廃止や創業5年以内の中小企業に限定されている欠損金の繰戻還付措置を全面復活することなどを求めている。さらに、世代交代が進む中小企業が直面している事業承継問題については、平成20年度改正で創設が決定した「取引相場のない株式等に係る納税猶予制度」を確実に制度化し、中小企業にとって使い易い制度になるよう求めている。あわせて相続税の課税方式の変更や総合的な見直しについては、大幅な制度変更は避けるとともに相続税負担を高めることがないよう求めている。

○その他、昨今の金利情勢に照らしてあまりにも高率である利子税(4.2~7.3%)、延滞税(4.7~14.6%)の引き下げや、所得捕捉を改善し課税の公平性を向上する観点から納税者番号制度の早期導入を求めている。

以上

【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
産業政策部
担当 小林、盛、中野
TEL 03-3283-7621/7623/7756