観光を科学する

第1回 日本のインバウンド振興の位置づけ

平成27年1月13日

訪日外客誘致(インバウンド)の現状とその課題や対策について紹介します。(全3回)

 訪日外客誘致(インバウンド)のためのビジット・ジャパン・キャンペーン事業が開始されてから10年目の2013年12月20日、わが国の訪日外国人数は目標の1000万人を達成した。同日に成田空港で記念式典が行われ、太田昭宏国土交通大臣が目標達成の宣言をすると共に、1000万人目のタイ人のご夫妻に記念品が贈呈された。

訪日外国人1000万人の世界的レベル
 世界経済フォーラムの「旅行・観光競争力指数」13年版で、日本は過去最高の14位にランクされた。アジアではシンガポールの10位に続いて2番目であり、以下、香港15位、韓国25位、台湾33位、マレーシア34位、タイ43位、中国45位の順である。米国のFuture Brand社の12年ツーリズムブランドでは、日本はイタリアに続いて世界2位にランクされている。また、観光庁「訪日外国人消費動向調査(12年)」によると、訪日外客の9割超が日本滞在に満足し再来訪意向を持っている。
 このように専門家による日本観光への評価は高く、実際に日本を訪問した外国人は高い満足度と再来訪意向を持っているにも関わらず、訪日外国人数の世界ランキングは10年で30位であり、日本への評価よりも低い順位に甘んじている。
 一方、インバウンド客数の国・地域別内訳が日本と同様である韓国は、専門家の評価は日本ほど高くないにも関わらず、12年には1114万人を達成している。インバウンド振興への国を挙げてのブランド構築と効果的なプロモーション戦略を実施してきた韓国は、日本が世界金融危機による不況や円高、新型インフルエンザの流行、東日本大震災、近隣国との政情悪化などの様々な要因により増減を繰り返してきたことをよそ目に、04年から一貫して増加傾向を維持してきた。わが国も、他の競合国に伍して、成長するアジア旅行市場でのプレゼンスを獲得するため、総力戦でのインバウンド振興に本腰を入れる段階に来ている。

東京の役割
 私達も初めて行く国では首都を訪れることが多いが、観光庁の前述の調査によると、観光・レジャー目的で来日した外国人の50.5%は東京都を訪問している。また、同43.1%が初回の日本訪問であり、訪日外客3000万人の目標に向け、初回訪問の割合は減少しない前提で勘案すると、インバウンド受け入れに関しての東京の役割は大きい。特に、初回訪問で多くが訪れる東京滞在中の満足度が次回の再来訪意向を左右し、さらには、東京での情報提供のあり方次第では、次回訪問の際に東京以外の地方部に足を延ばす外国人が増えることも期待できる。訪日外国人消費のメリットをオールジャパンで享受するためにも、東京での滞在中に有益な情報提供を行うことがカギとなる。
 こうした役割を念頭に置き、東京のインバウンドの受け入れ体制を向上させていくことが求められる。首都圏空港の国際線枠の拡大、クルーズ船への対応、多様な宿泊サービスの提供、外国語表示や案内所の充実などのハード面の整備はもとより、食やショッピング、街歩きなどの東京ブランドを向上させるための取り組みもこれまで以上に重要になる。


執筆者
首都大学東京 都市環境学部 特任准教授 矢ケ崎 紀子

掲載:東商新聞 2014年1月20日号




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