税制改正に合わせた事業承継のポイント

第1回 事業承継の意義

平成26年10月21日

事業承継問題と平成27年1月1日より施行される新事業承継税制(非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予・免除制度)の確認すべき内容について紹介します。(全5回)

 平成25年度税制改正により、事業承継税制(非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予・免除制度)が改正されました。相続税・贈与税の改正時期に合わせ、原則として平成27年1月1日から適用されます(一部前倒しで適用されるものあり)。改正後の新事業承継税制は、従来の事業承継税制で使い難いと言われていた項目の相当部分が改善され、今後、事業承継の検討に際しては必ず確認すべき内容になったといえます。この改正の機会を捉えて、以下5回シリーズで事業承継問題について検討することにします。

1.事業承継の意義
 事業承継問題は、企業経営者にとって重大な関心事です。創業者の高い社会的信用をいかに円滑に後継者へ引き継ぐか、またその後継者の育成をどのように行うか。また、自社株式は通常、市場での取引の対象とならず、相続発生時の株式評価額は高額で「相続税倒産」という言葉があるくらいですから、株式のスムーズな移転は切実な問題です。
 「事業承継」という言葉は、「相続」とその内容が似ている部分があるため、混同されることがあります。しかし、「事業承継」は「相続」よりも広い視野から捉えなければなりません。「相続」が血族や婚姻など親族間の問題であるのに対し、「事業承継」は「相続」にかかわる人々のみならず、従業員やその家族、仕入先や販売先などの取引先、さらに取引金融機関まで関係する問題を含んでいるからです。
 自社株式は経営者にとって相続財産として相続税の対象であるとともに、この株式を誰に承継させるかによって会社の命運が決まることになります。「事業承継」と「相続」の違いを一言でいえば、「誰を後継者にするか」ということの持つ意味の重さの違いです。経営者が所有する自社株式は、相続財産と会社の経営権という二つの意味を併せ持っています。
 つまり、「事業承継」は「相続」に関する事柄を内包しており、また「相続」の延長線上で考えなければならない点も数多くあります。

2.事業承継対策の大切さ
 中小企業庁が実施したアンケート結果によると、事業を後継者に承継させるに当たって、何らかの障害があると認識している経営者は、全体の4割強にも上っています。
 日本全体が高齢化社会に入っている中で、経営者の平均年齢も年々上昇し、60歳に手が届きつつある状況です。経営者自身が考える引退予想年齢の平均は約67歳であり、過半数の企業が、今後10年間に事業承継の問題に対応を迫られることになります。経営者の高齢化に加え、少子化に伴う後継者の不在も問題となっています。
 さらに民法の均分相続や遺留分などの制度が非後継者の権利を保護しており、自社株式や事業用資産を後継者に集中させることを困難にしています。後継者である相続人に株式を集中したければ、現金等多額の個人財産を準備してそれを株式等の代わりに非後継者に相続させることが必要となります。
 このように事業承継問題は、多くの企業経営者の悩みの種になっており、事業承継問題の解決には、相当の準備期間が必要で、会社の経営計画を立てようとするのであれば、事業承継対策は必要不可欠なことです。


執筆者
株式会社タクトコンサルティング 代表取締役社長 税理士 玉越 賢治

掲載:東商新聞 2013年7月10日号




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