中小企業の 企業年金制度 ~変革していく企業年金、自社に適した制度を~

第2回 多くの厚生年金基金が解散へ

平成26年9月16日

変革していく企業年金。自社に適した中小企業向け企業年金制度について紹介します。(全6回)

 AIJ投資顧問による詐欺事件の発覚以降、厚生年金基金制度のあり方が議論されてきましたが、「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(以下、厚生年金基金見直し法案)」が6月に成立したことにより、多くの厚生年金基金は解散に向かうと思われます。

厚生年金基金とは
 厚生年金基金制度は1966年10月に始まった企業年金制度であり、加入者に対して厚生年金保険よりも手厚い年金を支給する目的で創設されたのです。厚生年金基金は厚生年金保険の一部、老齢厚生年金の報酬比例部分を代行していることに大きな特徴があります。
 厚生年金基金には代行部分に加え、代行部分に付随して若干上乗せされる「基本上乗せ部分」、および基金ごとに独自に設計される「加算部分」があります。現在、この加算部分と基本上乗せ部分での支給(「プラスアルファ部分」)が代行部分の支給の10%程度(2005年4月以降に設立された基金については50%程度)あることが求められています(図参照)。
 厚生年金基金はピーク時の1996年には1883基金、加入者1225万人の規模にもなりました。
 しかし、2000年以降、運用環境の悪化により厚生年金基金では資産を大きく減らしてしまいます。加算部分のみならず厚生年金の代行部分にまで積立不足(以下、「代行割れ」)は膨らみ、主に大企業が設立した厚生年金基金では、代行部分による負担(積立不足の拡大、企業財務へのマイナス影響等)を解消するために2002年より可能となった代行返上を行い、基金あるいは事業主の独自給付部分を確定給付企業年金などに移しました。
 一方、同種同業の中小企業が寄り集まった総合型基金では、追加拠出に対する加入事業所の意思統一が難しく代行返上はできませんでした。そのため、現存の厚生年金基金の約9割が総合型基金となっています。
解散基金のスムーズな移行が重要
 そこで、厚生年金基金見直し法案では、代行割れ基金は5年間の時限措置として特例解散を基にした早期の解散を促し、そのうえで5年経過後から一定の基準を満たさない基金は、厚生労働大臣が「解散命令」を出して退場させることとします。また、同法の附則には「法施行後10年を経過する日までに基金を全廃することを検討する」という一文も盛り込まれました。
 特例制度での解散では、国へ返却する代行部分の資産に相当する最低責任準備金について、一定の計算方法による減額を申請することができます。また、国への最低責任準備金の納付期間について、納付期間中にやむを得ない理由がある場合は最長30年(現行15年)までとすることができます。あわせて、加入事業所間の連帯債務を外す、納付額へ付加する金利を変動から固定とするなどの措置による特例が設けられます。
 また、厚生年金基金での上乗せ給付部分の受給権の保全を支援するため、厚生年金基金の解散後、基金全体または事業所(企業)単位で新規または既存の確定給付企業年金や中小企業退職共済制度、企業年金連合会へ移行できることになります。さらに、代行返上により確定給付企業年金に移行した場合の積立不足金の償却期間の延長や、基金脱退時の従業員が既存の確定拠出年金へ資産移転する場合の規制緩和等が行われます。あわせて企業年金の選択肢の多様化をはかるため、キャッシュバランスプランの制度設計の弾力化、簡易な制度設計や手続きで設立できる簡易型確定給付企業年金の対象が拡大されるなどにより柔軟な移行への措置がはかられています。


執筆者
商工会議所年金教育センター 主任研究員 1級年金総合(DC)プランナー 中小企業診断士 大高 直美

掲載:東商新聞 2013年10月10日号




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