中小企業の 企業年金制度 ~変革していく企業年金、自社に適した制度を~

第1回 2000年以降大きく変わっ た企業年金制度

平成26年9月9日

変革していく企業年金。自社に適した中小企業向け企業年金制度について紹介します。(全6回)

 企業年金制度とは企業がその従業員を対象に実施する年金制度をいいます。その誕生の経緯は、戦後の高度成長期をむかえて、厚生年金保険料の上昇とともに、退職金水準も上昇していくことに危機感を持った企業側の要望により、税制優遇措置をはじめ企業側、従業員側双方にメリットのある制度として「適格退職年金制度」、厚生年金の一部も国に代わって行う「厚生年金基金制度」が1960年代前半に創設されたことに始まります。このような設立の経緯から、日本の企業年金は主に退職金の外部積立制度として利用され、企業年金という名称ではありますが一時金での受給も可能となっています。

 適格退職年金、厚生年金基金は、設立当時から1990年代後半までは運用環境にも恵まれ、順調に加入者、資産規模を増やしていきましたが、2000年のITバブル崩壊とともに運用環境が悪化し、年間の運用利回りがマイナス10%以上となる年もあり、各制度で積立不足が増大し廃止されるものも多く、従業員の受給権の面で大きな問題となりました。

 そのようなことから、国は厚生年金基金の代行部分を国に返上することを認め、ピーク時で1883あった基金は本年8月1日現在555基金、加入員403万人となり、受給権保護に不備があるとされた適格退職年金は他制度への移行期間10年を設けたのち2012年3月末をもって廃止されました。

 そこで、代行返上した厚生年金基金、適格退職年金の受け皿として誕生したのが「確定給付企業年金」(2002年)、「確定拠出年金(企業型)」(2001年)で、代行返上した厚生年金基金や適格退職年金の多くが確定給付企業年金に移行し本年3月末現在14,676件、加入者796万人となっています。

 企業年金制度では事業主掛金にその運用益を加えたものが支給原資となります。しかし運用益は想定よりも良いことも悪いこともあります。確定給付企業年金、厚生年金基金では、運用によるブレは従業員の受給額には影響せず、掛金の増減で調整されるため、運用成果が悪いと事業主は追加で掛金拠出を求められます。一方、確定拠出年金では、運用が悪ければ従業員の受給額が減少し、良ければ増えることになり、事業主が追加で掛金拠出する必要はありません。

 2001年3月期より退職給付会計が導入されたことにより、厚生年金基金、確定給付企業年金、退職一時金では将来見込まれる支払に相当する退職給付債務に対して、その支払原資の積立不足分を引当金として計上しなくてはならなくなりました。しかし、確定拠出年金は事業主が毎月の掛金を支払った時点で債務は消滅し、退職給付会計の対象とならないため、事業主にとっては魅力的な制度と捉えられました。

 ただし確定拠出年金は従業員が自ら運用商品を選択しそれを運用しなければならない、将来受給できる額が事前にはわからない、60歳まで途中引き出しができないといったことより、当初加入者の伸び(図)は期待されていたほど大きくはありませんでしたが、着実にその数は増えてきており本年6月末現在の企業型加入者は457万人となり、500万人を超える日も近くなっています。

 昨年、厚生年金基金へのAIJ詐欺事件の発覚とともに、厚生年金基金制度の廃止議論が起こり、結果、本年6月には実質廃止ともとれる法案が可決しました。来年2014年4月以降は基金の新規設立は認められず、一定の積立水準を満たす一部の基金以外は、特例的な解散制度により早期の解散が促されます。それにより失われる基金独自給付に対する代替措置等も課題となっています。


執筆者
商工会議所年金教育センター 主任研究員 1級年金総合(DC)プランナー 中小企業診断士 大高 直美

掲載:東商新聞 2013年10月1日号




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