東商の活動

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「エネルギーの多様性重視を」 資・エネ部会講演会

2014年2月24日
東京商工会議所
産業政策第二部
講師の山本教授

講師の山本教授

 資源・エネルギー部会(部会長=井手明彦特別顧問・三菱マテリアル会長)は2月24日、常葉大学経営学部教授の山本隆三氏を講師に招き、「シェールガス革命と我が国の資源確保戦略」と題した講演会を開催し、約60人が参加した。
 山本氏は「震災後、原発の停止により日本の電源構成はオイルショック時と同じ化石燃料頼みに逆戻りした。中東依存率も大きく上昇し、エネルギー安全保障上、問題となるレベルに来ている。エネルギーの多様性を無視してはならない」と指摘。また、脱原発の切り札としてシェールガスと再生可能エネルギーの活用や電力自由化が期待されているとしながらも、「米国はシェールガス採掘に成功し、天然ガスが安価だが、液化プラントの建設コストや液化・輸送費用などを考えると、日本向けに大きな価格競争力を持つかは疑問だ」と語った。さらに、世界的な天然ガス価格の動向について「欧州や中国などで生産が本格的に始まり、価格が下がる可能性があるのはおそらく2020年以降」と述べた。また、電気料金が企業収益に与える影響の大きさを示しながら、「例えば金型製造の中小企業で年間5億円の電気料金を支払う企業にとって、電気料金の値上げは大きな痛手だ」と例示し、日本の製造業の成長を支えるためにも、エネルギー政策の再考が重要だとの認識を示した。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
産業政策第二部
担当 環境・エネルギー担当