経営に役立つフレームワーク

第1回 PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

平成25年9月30日

事業の分析や戦略づくりに役立つ代表的なフレームワークを紹介します。(全7回)

 今回から、「経営に役立つフレームワーク」というタイトルで、事業の分析や戦略づくりに役立つ代表的なフレームワークを紹介していきたいと思います。
 フレームワークとは、本来「枠組み」という意味ですが、ここでは様々な経営情報を俯瞰して見るための「まとめ図」、意思決定を行うための「構造図」という風に理解してもらえればと思います。フレームワークは、あくまで情報を整理して理解しやすくするためのものであり、フレームワークが答えを出してくれるものではありません。つまり、フレームワークは「補助線」であり、「ガイドライン」です。あくまで、戦略を立て、判断するのはあなた自身ということをお忘れなく。では、1回目のフレームワークを紹介しましょう。
 PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、ボストン・コンサルティング・グループが考案した、分析フレームワークです。一般的な企業では、様々な製品を持っています。儲かっている製品もあれば、始めたばかりで赤字の製品もあるでしょう。PPMは、企業の持つ製品群を見直すときに、どの製品に注力し、どの製品を撤退すべきか、方向性を示してくれるものです。
 ポートフォリオとは、通常、金融資産の運用などに使われる言葉です。所有資産が効率よく運用されるように、組み合わせることを指します。これは、企業の持つ製品群も同じです。製品にはそれぞれ、ステージがあり、成長期にあるものもあれば、衰退期にあるものもあるでしょう。そのステージによって、投資すべき規模や収益性が異なります。そうした製品ごとの現在のステージを確認する上で、非常に便利なフレームワークといえるでしょう。
 PPMは、縦に「市場成長率」、横に「相対的なマーケット・シェア」をとり、プロダクトを4つのゾーンにわけて、各事業の規模を表す円を描き、全体を俯瞰します。4つのゾーンは、「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」と名前がつけられています。 
 通常の新製品は、「問題児」(高成長率×低シェア)からのスタートです。「問題児」に位置する事業は、プロダクトライフサイクルで言えば、導入期にあたる製品です。早いうちに集中投資をして、シェアを拡大する必要があります。 
 製品が成長期に入ると、めでたく「花形」(高成長率×高シェア)になります。花形事業は、大きな利益が得られる一方で、成長のための継続的な投資が必要な事業です。
 やがて成長が鈍化すると、投資の回収フェイズで、企業の財務安定性の要となる、「金のなる木」(低成長率×高シェア)になります。このキャッシュで、他の事業を育てます。 
 市場もしぼんでくると、「負け犬」(低成長率、低シェア)です。通常、このゾーンに分類される製品は、不採算になっているはずです。それまでの投資が回収できていなくても、すでに市場成長率も鈍化しているため、なるべく早い見切りがポイントとります。 
 PPMでは、製品のライフサイクルが、導入期⇒成長期⇒成熟期⇒衰退期となることを前提としています。しかし、実際には、成熟期を迎えた製品でも新しいイノベーションによってさらに成長したり、成長期を迎えずに、そのまま衰退することもあります。PPMは、万能ではありません。
 PPMを俯瞰するポイントは、それぞれのゾーンに、どういった製品が位置しているかを把握することです。調子の良い製品があるうちに、新製品を投入したり、不採算の製品を撤退したりすることで、その投資を成長製品に向けるといった、まさに資産のバランシングに有効活用できます。 

(知的生産研究家、株式会社ショーケース・ティービー 取締役COO 永田 豊志)


執筆者
知的生産研究家、株式会社ショーケース・ティービー 取締役COO 永田 豊志

掲載:東商新聞 2012年11月10日号




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