中小企業の資金繰り等に関するアンケート調査結果
(1~3月期)

・調査期間
・調査対象
・調査方法
・回答数


Ⅰ.調査結果概要

 平成12年1~3月期の資金繰り(平成11年10~12月期に比べた平成12年1~3月期の状況)は「変わらない」と回答した企業が7割近くを占めているが、「悪化した」としている中小企業は29.0%で、前回調査(7~9月期に比べた10~12月期の状況)の24.2%から4.8ポイント悪化した。
 一方、民間金融機関の貸出姿勢は、「厳しい」という回答(「更に厳しくなった」8.8%と「相変わらず厳しい」47.5%の合計)は56.3%で、前回の59.8%から3.5ポイント減少したものの、借入れをしている企業の半数以上が、貸出姿勢が厳しいと回答している。
 貸し渋りによる企業経営への影響については、「すでに限界にきており、経営に深刻な影響が出ている」「いずれ経営に影響が出ると思う」と回答した割合が62.7%と、前回調査の65.0%から2.3ポイント改善したが、経営環境の厳しさは依然として続いている。

Ⅱ.回答企業の概要について

製造業

建設業

卸売業

小売業

サービス業

合計

98社

46

70

140

88

442

22.2%

10.4

15.8

31.7

19.9

100



Ⅲ.調査結果

〔質問1〕

前期(平成11年10~12月期)に比べた今期(平成12年1~3月期)の資金繰り状況はどうですか。

○ 平成11年10~12月期に比べて、資金繰りが「悪化した」と答えている中小企業は29.0%で、前回の24.2%よりも4.8ポイント悪化した。

 

1.好転した

2.変わらない

3.悪化した

4.無回答

合 計

H12.3月期

10社(2.3%)

295(66.7)

128(29.0)

9(2.0)

442

H11.12月期

25社(5.6%)

302(67.1)

109(24.2)

14(3.1)

450



〔質問2-1〕

民間金融機関の最近の貸出姿勢は、平成11年10~12月期と比べて変化がありましたか。

○ 民間金融機関の貸出姿勢について、「借入れしていない・わからない」「無回答」の企業を除く181社をみると、「更に厳しくなった」が8.8%で、前回の5.5%から3.3ポイント増加、一方「相変わらず厳しい」は47.5%で、前回の54.3%から6.8ポイント減少しているが、貸出姿勢を「厳しい」と感じている企業が過半数を超えている(56.3%)。

○ 産業別にみると、製造業、サービス業を除く3業種で厳しい(「更に厳しくなった」「相変わらず厳しい」の合計)と回答する割合が依然として6割を超えている。特に、「更に厳しくなった」と回答した割合が卸売業では11.1ポイント、建設業では6.6ポイントとそれぞれ増加し、悪化の傾向が強まっている。一方、製造業では、「緩くなった」と回答した割合が15.9%と前回の1.7%から14.2ポイント増加している。