製造業の経営実態と環境への取組みに関するアンケート調査
結果概要

1.調査目的 (東京都23区内の)製造業の経営実態と環境への取組み状況を調査すること。結果は今後の政策活動の参考とする。

2.調査対象と回答数・回収率

対象
回答数
*なお、各項目回答数割合は、「不明」回答を除いた母数で計算。

3.調査方法・調査期間
調査方法
調査期間

4.回答者業種別内訳

1.食料品・衣服他繊維製品
2.家具・木製品・紙・紙加工
3.出版・印刷関連
4.化学工業
5.石油・プラスチック・ゴム製品
6.鉄鋼・金属・非鉄金属
7.電気機械器具
8.一般・産業・輸送・精密機械
9.その他(文具・玩具、皮製品他)
10.不明・製造中止

 
  合計

5.調査結果
(1)東京都23区内の製造業の経営実態
・ 事業所の状況について、「単独事業所である」(生産拠点を兼ねる唯一の事務所である)と回答した企業は約2割(22.7%)にすぎない。また、「他の場所に工場がある」という回答は6割以上(64.9%)あったが、その内23区内に工場を有する企業は全体の1割に満たない(7.7%)。通算すると、23区内に生産拠点を持つ企業は全体の3割(30.4%)にすぎない。工場の23区外への移転が進み、都内には、本社機能・販売拠点を置く企業が増加していると見られる。 ・ 事業所の従業員数は、「100名以下」の回答が8割近く(77.3%)にのぼり、そのうち、3割以上(32.9%)は、「20名以下」と回答している。また、従業員数が「増加した」と回答した企業は1割に満たない(9.7%)。
・ 一方、会社としての設立年については、約8割(77.0%)が1945年以降(戦後)と回答した。これらの企業では、会社設立後、経営者の世代交代が進んでいると考えられる。 ・ また、会社としての海外取引の有無については、約半数(46.4%)が「海外企業と取引がある」と回答している。

  (2) 環境経営について
・ 中長期的経営課題について重要度に応じて1位から5位までを質問したところ、「地球環境への配慮」は、「第1位」の回答は2.8%しかないが、「第5位」としてはトップ(18.9%)になる。昨今の厳しい経営環境を反映してか、回答の多くは「売上高や事業規模の拡大」「新技術・新商品開発」「生産性の向上」に集中した。
・ 環境への取り組みの目的・意義については、「社会的責任」の回答が6割を超え(64.2%)、他の回答に比べ圧倒的に多かった。
・ また、環境への取組みについて、「いずれも行なっていない」と回答したのはわずか1割弱(8.1%)に過ぎず、9割(91.9%)は何かしらの取組みを実施している。具体的には、「省エネルギー・省資源」(59.6%)、「包装・資材の変更・削減」(49.0%)、「リサイクル・リユース」(45.7%)、「物流の合理化(44.0%)で、いずれも4割を超える回答があった。 ・ 環境コストの回収期間については、8割以上(83.2%)が「2~5年」であれば取り組みが進むと回答した。
・ 環境への取組みとコストの関係について、一時的にせよ「コストアップ」とした回答者に要因を尋ねたところ、「廃棄物処理等の委託費用」(57.0%)、「素材・原料の切り替え」(54.6%)、「環境配慮型設備の導入」(53.1%)に、5割以上の回答が集中した。

 

Q.事業所の状況について(MA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

他の場所に本社がある

234

17.9

18.2

2

他の場所に支店・営業所がある

454

34.7

35.3

3

他の場所に工場がある

834

63.7

64.9

 (*うち、「23区内に工場がある」

99

7.6

7.7)

4

単独事業所である

292

22.3

22.7

不明

23

1.8

 

Q.事業所の従業員数について(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

20名以下

425

32.5

32.9

2

21~100名

574

43.9

44.4

3

101~300名

186

14.2

14.4

4

301~1,000名

64

4.9

5.0

5

1,001名以上

43

3.3

3.3

不明

17

1.3

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.事業所の従業員数の推移について(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

減少した

436

33.3

34.1

2

変化なし

718

54.9

56.2

3

増加した

124

9.5

9.7

不明

31

2.4

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.設立年(西暦)について(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

1944年以前

259

19.8

23.0

2

1945~1954

358

27.3

31.8

3

1955~1964

287

21.9

25.5

4

1965~1974

148

11.3

13.1

5

1975~1984

62

4.7

5.5

6

1985~1994

8

0.6

0.7

7

1995年以降

4

0.4

0.4

8

不明

183

14.0

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.海外取引の有無について(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

海外企業と取引がある

545

41.6

46.4

2

海外企業と取引はない

630

48.1

53.6

不明

134

10.2

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.中長期的経営課題について(重要と思われる順に5つ)【第1位】(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

株価・株主重視

83

6.3

6.4

2

売上高や事業規模の拡大

486

37.1

37.4

3

雇用の維持・創出

46

3.5

3.5

4

地域社会への貢献

8

0.6

0.6

5

地球環境への配慮

37

2.8

2.8

6

グローバル化への対応

23

1.8

1.8

7

情報化への対応

77

5.9

5.9

8

後継者育成

60

4.6

4.6

9

技術の継承

30

2.3

2.3

10

新技術・新商品開発

335

25.6

25.8

11

生産性の向上

115

8.8

8.8

不明

9

0.7

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.中長期的経営課題について(重要と思われる順に5つ)【第2位】(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

株価・株主重視

37

2.8

2.9

2

売上高や事業規模の拡大

145

11.1

11.2

3

雇用の維持・創出

98

7.5

7.6

4

地域社会への貢献

29

2.2

2.2

5

地球環境への配慮

50

3.8

3.9

6

グローバル化への対応

46

3.5

3.6

7

情報化への対応

136

10.4

10.6

8

後継者育成

82

6.3

6.4

9

技術の継承

108

8.3

8.4

10

新技術・新商品開発

314

24.0

24.4

11

生産性の向上

244

18.6

18.9

不明

20

1.5

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.中長期的経営課題について(重要と思われる順に5つ)【第3位】(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

株価・株主重視

43

3.3

3.3

2

売上高や事業規模の拡大

97

7.4

7.5

3

雇用の維持・創出

90

6.9

7.0

4

地域社会への貢献

33

2.5

2.6

5

地球環境への配慮

89

6.8

6.9

6

グローバル化への対応

53

4.0

4.1

7

情報化への対応

215

16.4

16.7

8

後継者育成

115

8.8

8.9

9

技術の継承

146

11.2

11.4

10

新技術・新商品開発

181

13.8

14.1

11

生産性の向上

224

17.1

17.4

不明

23

1.8

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.中長期的経営課題について(重要と思われる順に5つ)【第4位】(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

株価・株主重視

38

2.9

3.0

2

売上高や事業規模の拡大

87

6.6

6.8

3

雇用の維持・創出

91

7.0

7.1

4

地域社会への貢献

68

5.2

5.3

5

地球環境への配慮

125

9.5

9.8

6

グローバル化への対応

101

7.7

7.9

7

情報化への対応

216

16.5

17.0

8

後継者育成

125

9.5

9.8

9

技術の継承

142

10.8

11.2

10

新技術・新商品開発

136

10.4

10.7

11

生産性の向上

144

11.0

11.3

不明

36

2.8

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.中長期的経営課題について(重要と思われる順に5つ)【第5位】(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

株価・株主重視

44

3.4

3.5

2

売上高や事業規模の拡大

73

5.6

5.8

3

雇用の維持・創出

89

6.8

7.1

4

地域社会への貢献

106

8.1

8.4

5

地球環境への配慮

238

18.2

18.9

6

グローバル化への対応

111

8.5

8.8

7

情報化への対応

157

12.0

12.5

8

後継者育成

124

9.5

9.9

9

技術の継承

81

6.2

6.4

10

新技術・新商品開発

69

5.3

5.5

11

生産性の向上

165

12.6

13.1

不明

52

4.0

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.環境への取組みについて:具体的な取組みの内容(MA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

省エネルギー・省資源

774

59.1

59.6

2

リサイクル・リユース

594

45.4

45.7

3

包装・資材の変更・削減

636

48.6

49.0

4

緑化の促進

160

12.2

12.3

5

物流の合理化

571

43.6

44.0

6

化学物質使用量の把握

322

24.6

24.8

7

グリーン購入

116

8.9

8.9

8

エネルギーの転換

134

10.2

10.3

9

環境マネジメントシステムの構築(ISO14001取得等)

365

27.9

28.1

10

製品の環境影響評価

281

21.5

21.6

11

環境に配慮した生産プロセスや技術の導入

502

38.3

38.6

12

環境ビジネス

184

14.1

14.2

13

いずれも行なっていない

105

8.0

8.1

不明

10

0.8

 

Q.環境への取組みの目的・意義について(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

社会的責任

828

63.3

64.2

2

現在または将来的な企業の環境リスク回避

137

10.5

10.6

3

他社との差別化・イメージアップなど営業戦略

83

6.3

6.4

4

企業競争力の強化

103

7.9

8.0

5

環境ビジネス参入準備

14

1.1

1.1

6

コストダウン

50

3.8

3.9

7

組織の活性化

3

0.2

0.2

8

社員の意識改革

72

5.5

5.6

不明

19

1.5

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.環境への取組みとコストの関係について(SA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

コストダウンに直結する

151

11.5

11.8

2

一時的にはコストアップでも中長期的にみればコストダウンにつながる

851

65.0

66.7

3

単なるコストアップ要因

273

20.9

21.4

不明

34

2.6

サンプル数(%ベース)

1309

100

 

Q.コスト要因について(MA)

カテゴリ

件数

(全体)%

(除不)%

1

環境配慮型設備の導入

589

52.4

53.1

2

技術等研究開発

408

36.3

36.8

3

外部からの技術導入

103

9.2

9.3

4

人材教育

267

23.8

24.1

5

人員の拡充

101

9.0

9.1

6

製造ラインの組替え・変更

255

22.7

23

7

素材・原料の切り替え

606

53.9

54.6

8

配送システムの変更

107

9.5

9.6

9

廃棄物処理等の委託費用

633

56.3

57

10

コンサルティング料

82

7.3

7.4

11

外部への情報開示

33

2.9

3.0

不明

14

1.2