政策提言・要望

政策提言・要望

Ⅲ.東京商工会議所の取り組み

平成11年11月15日
東京商工会議所

 東京商工会議所は、23区に設置している支部を中心として、産業振興ばかりでなく、まちづくりや地域の活性化に向けて各地域の実情を踏まえた活動を展開してきました。こうした経験を踏まえて、地域の子どもたちの育成にあたっても、支部の役員や管内の会員を中心に、また、本部としても他の関係団体等と連携して、各地域における協力体制の構築を支援していきたいと考えております。

1.教育機関・保育機関と地域ならびに地域企業の協力・連携に向けた具体的な推進方法の研究と提案

 東京商工会議所としては、各区内の保育・子育て支援施設の充実など地域の子どもたちの健全な成長のための環境整備に向けて、具体的推進方策を研究し、適宜提案するとともに、学校等と地域・企業等との交流の場の提供、シンポジウム等の開催による啓発活動、支援方法等のノウハウを持たない企業に対する情報提供など、地域や企業の取り組みを支援してまいりたいと思っております。

2.子育て支援や社会貢献を当然とする新たな企業評価基準の推進

企業の経営環境が厳しい中、企業が自社の子育て中の社員への支援や地域の教育に対する協力を行うことは、かなりの負担となります。しかしながら、例えば環境報告書を公表したりISOを取得する企業の評価は高まってきているなど、社会貢献企業は注目を集めています。
そこで、東京商工会議所では、子育てや地域の子どもたちの育成に関して様々な支援活動を行う企業についても、社会的に高い評価が与えられるような新たな企業評価基準(例えば「子育て支援ミシュラン」といったようなもの)の採用を、広く社会に訴えかけてまいりたいと思います。

3.「東京子どもの成長支援ネットワーク23(仮称)」構築の提案

東京商工会議所では、東京23区の各地域において子どもの成長を支援するための取り組みが円滑に行われるよう、何らかの支援ができる者の支援内容と支援を受けたいと思う者が希望する支援内容など、それぞれの役割分担に応じたデータベースを作り、必要な情報を提供する「東京子どもの成長支援ネットワーク23(仮称)」の構築を提案いたします。
ネットワークの構築に際しては、システム開発や法務対応などに関して専門的な見地からの検討が必要なほか、行政機関による支援も必要になると思われますので、まずは、東京商工会議所がこれらの専門家や行政の協力を得られるよう、働きかけを行ってまいります。

「東京子どもの成長支援ネットワーク23(仮称)」の概要

○東京23区内在住・在学(園)の子どもたちの健やかな成長を支援するため、双方の労力軽減を目的としてコンピュータとインターネットを利用し、支援可能な者と支援を受けたい者のネットワークを構築する。
○支援可能な個人・企業・団体やサークル等を問わず、地域内の子どもたちの成長支援のために提供できる様々な協力内容や方法をそれぞれにデータベースのソースとして提供・登録し、支援を受けたい者はデータベースに適宜アクセスし、あるいは支援を希望する内容を登録することにより協力を求め、双方の合意のもとに実行する。
○ネットワークの円滑かつ健全な運営のため、運営機関やフォローアップ機関を設置するとともに、支援可能な者・支援を受けたい者ならびに行政機関の代表による「運営協議会(仮称)」を各区レベルおよび23区全体レベルに設置する。既に独自のネットワーク・データベースを構築している機関・団体等とも協力・連携を図る。

以上