会頭コメント

会頭コメント

7-9月期GDPについて

2002年11月13日
東京商工会議所

 7-9月期のGDPが実質で対前期比0.7%増となり、3期連続でプラス成長となったが、中小企業にはとても景気が上向いているという実感はない。日本商工会議所が毎月実施している早期景気観測(LOBO)調査でも、業況判断は9月、10月と2カ月連続で悪化しており、先行きも厳しいものがあり、楽観を許す状況にはない。
 7-9月期のGDPは、個人消費等がやや強めに出た結果だろうが、たまたま夏の猛暑等の特殊要因が一時的に消費を刺激したためであろう。機械受注統計をみても7-9月期は対前期比1.7%減となっているように、日本経済が厳しい不況下にある状態に変りはない。さらに不良債権処理の加速化や米国経済の動向によっては、今後デフレが深刻化する危険性は高い。
 政府においては、金融と産業の再生とあわせ、景気低迷の主因を成している需要不足を、当面は減税や財政支出によって補完していくことが不可欠である。また、中小企業に対する金融面の万全のセーフティーネットや雇用対策を、予算措置を含めて整備しておくべきであることは言うまでもない。

以上