会頭コメント

会頭コメント

自民党総裁選挙に望む

2001年4月12日
東京商工会議所

1. 複数の有力候補が立ったことで、本格的な政策論争が展開されることを期待する。自民党の中の選挙とはいえ、実質的には総理を選ぶことになる。従って、各候補とも国民に分かりやすい形で主張を展開し、同じ政党であっても政策本位の活気ある選挙になることを望みたい。 開かれた選挙という観点からみて、地方での予備選の実施や都道府県代表の票を増やしたのは前進だが、国会議員の投票も派閥の拘束を緩めるくらいの措置が必要ではないか。この選挙が、あえて前倒しで実施される選挙であることを、自民党関係者はあらためて認識し、責任政党として新しい出発となるきっかけにしてほしい。

2. いま必要なのは、引き続き景気回復を最優先とした経済運営である。まずは景気の自律的回復へ向けて全力を挙げつつ、同時に先の緊急経済対策など構造改革を着実に実行していくことが必要であり、次期総理・総裁には強いリーダーシップが求められるだろう。各候補がどんなシナリオを描くのか注目していきたい。
 不良債権の直接償却の過程では、失業の増加などによってデフレを加速する懸念があるので、確実に将来不安を取り除く道筋を示すことも必要である。もとより経済の根底を支える中小企業がこれ以上苦境に陥ることのないよう、万全のセーフティーネットを用意することも不可欠である。この面での配慮も大事な注目点だ。

以上