会頭コメント

会頭コメント

九州・沖縄サミットについて

2000年7月23日
東京商工会議所

1. 21世紀への架け橋となるサミットで、日本が議長国を務めた意義は大きい。首脳会 議に先だって初めて主要国と途上国首脳との会合が、日本のイニシアティブで開催され たのも評価されるべきだろう。世界が共有する問題に対して、先進国の首脳が一堂に会 して相互に意思疎通を図るのがサミットの意義である。
  新しい世紀へ向けて経済社会全般にわたる最大の課題であるIT革命への対応を主要 テーマとして取り上げたのは適切だった。インターネットの活用は今後いろいろな分野 で、かなりのスピードで進むのは間違いないが、世界統一のルールづくり等に関するI T憲章が採択されたのは大きな前進だ。ただ、いわゆるディジタル・ディバイド縮小の 問題は、それ以前の南北格差の問題もあり容易なものではない。途上国への援助のあり 方に対する基本原則の確立とあわせて実行されるべきだろう。
  また、自由貿易推進のためにはしっかりとした枠組みが必要であり、WTO(世界貿 易機関)の次期貿易交渉の早期開始で合意したことを歓迎する。
  なお、中東での和平交渉と時期が重なったこともあり、中東和平をサミットが後押し することになったのも大きな成果と言えるだろう。
  いずれにせよ、日本は議長国としての責任を果たしたが、今後、景気の早期回復、経 済の再生に全力を挙げて国際社会の期待に応えていかなければならない。

2. また今回は、日本ではじめて東京以外で開催されたサミットだった。沖縄を世界にア ピールするイベントとしての意義は大きかったと思う。今回のサミットが、沖縄の人々 の将来発展への新たな意欲を喚起し、地理的ポテンシャルを活かして、沖縄の経済が自 立に向けて一歩前進する契機となれば大変喜ばしいことだ。

以上