会頭コメント

会頭コメント

日銀の金融緩和策について

2001年3月19日
東京商工会議所

 日銀が金融の量的緩和に踏み切ったことを評価したい。また、事実上のゼロ金利復帰となったことは、景気の先行き懸念が強まっている現状からみて当然の措置である。これにより、デフレ圧力を緩和する効果が期待できるとともに、一定期間にわたって継続することを打ち出したことは、市場に安心感を与える好材料として評価できる。
 しかし米景気の急減速や日本経済の実態を考えれば、本来もう少し早く打ち出す必要があったと思う。いずれにせよ金融政策だけではおのずから限界があるので、先に与党がまとめた緊急経済対策をしっかりと実行することが、景気浮揚に向けた不可欠の条件である。そのためには、関連税制の改正などについては一日も早く検討を開始し、すみやかに実施する必要がある。
 株価低迷の根底にあるのは、金融機関の不良債権問題である。今回の日銀の決定は、今後中小企業に対するセーフティーネットの整備を急ぎつつ、不良債権の秩序ある処理をすすめていく上で支えになるだろう。

以上