ミスを防ぐ仕事術

最終回 ミスに気付きながら改めないのが最大のミス

平成29年10月17日

 日々の仕事につきものの様々なミス。がんばってなくそうとしているのに、なかなかなくならないものです。というのも、我々の脳自体がミスを起こしやすいメカニズムになっているのです。なぜミスが起きるのか、脳のメカニズムとともに解説し、ミスを防ぐ対策を紹介します。

「新しいことに挑戦しない」ミス


 これまで5回にわたって、なぜミスが起きるのかについて、作業記憶(ワーキングメモリ)と潜在記憶という脳のメカニズムとともに解説し、ミスを防ぐ対策を紹介してきました。
 ワーキングメモリや潜在記憶の働きを知るだけで、あなたのミスは激減します。さらに、メモやチェックリストなどのツール、「意識の矢印」も使いこなして、「無駄なミス」はどんどん減らしていきましょう。
 ただ同時に、「ミスは起こるものである」ことを受け入れ、ミスを悪者扱いしないことが大事です。そうしないと、「必要なミス」までなくし、結果的に「致命的なミス」につながるからです。
 「必要なミス」とは何か?それは新しいことへの挑戦に伴うミスです。
 ミスをなくすことが目的になれば、今まで慣れ親しんだことをそのまま行いがちです。新しいことへの挑戦では、最初はどうしても余計に注意をとられ、ミスを起こしやすいからです。
 たとえば、第4回で紹介した「意識の矢印」を使ったコミュニケーションにしても、最初は慣れないので、これまでよりかえってミスが起こるかもしれません。しかし、このミスを恐れていては、新しいことに挑戦できません。
 下図は人が何かを学ぶときにどんな段階を踏むかをモデル化したものです。
 最初は左下の「できないことさえも知らない」状態に始まり、次にできないことを知り、そこから練習・実践を重ねる中で、だんだんと意識すればできるようになっていきます。そして最終的には、意識しなくても自然と適切にできるようになっていきます。
 この学習のサイクルでいちばんきついのは②と③の段階です。ここでは失敗、つまりミスがつきものだからです。ここで失敗・ミスを恐れずに練習・実践し続けることがカギになります。
 「必要なミス」の存在を受け入れることで、新たなことへの挑戦や、ミスしても諦めないで続けることができるのです。
 逆にミスを起こさないことにとらわれると、「事なかれ主義」に陥り、結果的に環境に乗り遅れるという「致命的なミス」を引き起こしてしまいます。

 
 

ミスは「貴重なフィードバック」


 誰しもミスは起こしたくありません。ミスの最中でも、「私はミスをしている」と思っている人はいません。「ミスした」と気付くのは、いつも後です。
 「無駄なミス」をなくそうとすることはもちろん大事ですが、ミスが起きた後で、そのミスとどう向き合うかが、実は重要なポイントになります。
 ではどうするかというと、ミスを見て見ぬふりをする、隠そうとするのではなく、ミスを貴重なフィードバック情報だと捉え、そこから学ぶことです。
 ただ、これがなかなかできません。ミスは気持ちのいいものではないからです。第5回で解説したように、潜在記憶の働きにより、自分の都合のいい記憶だけを思い出す「自己正当化」も起こり、ミスを認めにくくさせます。


「気付いたミスを改めない」ミス


 実はこうした「ミスを取り繕い、改めない」のが最大のミスであり、「致命的なミス」につながります。その実例は、見回せば山のようにあるでしょう。
 『論語』には「過ち」、すなわち、ミスについて次のような言葉があります。
 「過ちに気付いたら、改めることを躊躇してはならない」「過ちを犯しながら、改めないのが過ちである」「小人は過ちを犯すと、必ず、取り繕う」
 たかがミス、されどミス。ミスへの取り組み方が、あなたの会社、あなた自身の将来を左右するのです。



執筆者:宇都出 雅巳
トレスペクト教育研究所代表。速読・記憶法や心理技法の実践体験に、認知科学の知見を取り入れた学習法を確立し、伝えている。

掲載:東商新聞 2017年5月20日号




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