ミスを防ぐ仕事術

第4回 あなたは聞いているようで聞いていない

平成29年10月3日

 日々の仕事につきものの様々なミス。がんばってなくそうとしているのに、なかなかなくならないものです。というのも、我々の脳自体がミスを起こしやすいメカニズムになっているのです。なぜミスが起きるのか、脳のメカニズムとともに解説し、ミスを防ぐ対策を紹介します。

 ある金曜日の夕方……
上司「企画案はそろそろできた?」
部下「週明けではダメですか?」
上司「今週中って言っただろ!」
 これは「今週中」という言葉の捉え方の違いからのミスですが、こんな言葉のズレの経験はないですか?
 ちょっとしたことですが、大きな仕事のミス、人間関係のもつれの原因をたどっていくと、こんなちょっとしたコミュニケーションミスから始まっていることが多いものです。
 ただ、このコミュニケーションミス、なくそうと思ってもなくなりません。なぜなら、あなたが普段気付かない、ある記憶がもたらしているからです。


常に思い出されている「潜在記憶」


 その「記憶」とは第1回目で紹介した「潜在記憶」。思い出そうとしなくても勝手に思い出されて、思い出されたことも気付いていない記憶です。
 今もこの文章を読みながら、日本語の文字や意味に関する記憶が思い出されるので、あなたは読めるのです。ですから、「潜在記憶」は大事なのですが、これがコミュニケーションミスの原因にもなります。下図をご覧ください。
 これは部下(話し手)が何か提案してきた場面です。それを聞いた瞬間、上司(聞き手)には関連する「潜在記憶」が思い出されます。そこに巻き込まれると、話し手の話をすぐに「分かったつもり」になって、コミュニケーションミスが起こりやすくなるのです。
 どうすればミスを防げるのか?そのカギを握るのが「意識の矢印」です。

 
 

「意識の矢印」を相手の「記憶」に


 「意識の矢印」とは、左図で黒く太く表わされている矢印で、あなたの意識(注意)が向いている方向です。
 この「意識の矢印」の向きを自覚し、相手の「記憶」に向けられるようになることで、あなたは「聞き上手」になり、ミスをなくすことができるようになります。(下図参照)
 こうなるためのトレーニング法は非常に簡単です。
 誰かと話をしている時に、右手でも左手でもいいので、軽く親指を立て、あとは、自分の「意識の矢印」が自分の記憶に向いているのか、相手の記憶に向いているのかを確認しながら、その方向に親指を動かす。たったこれだけです。
 言わば「意識の矢印」の「見える化」。
 こうやって「見える化」することで、「意識」という見えないものを自覚し、コントロールしやすくなるのです。
 自分に「意識の矢印」が向いていると気づいたら、親指を相手に向け直しながら意識も相手の記憶に向けていく。そして、そこに質問を投げかけていく。
 質問といっても相手の話した言葉について「○○というと?」といったシンプルな質問でOKですし、逆にシンプルな質問が効果的です。これだけで、コミュニケーションミスは激減します。ぜひ、試してみてください。
 なお、潜在記憶が反応したり、「意識の矢印」がそこに向くのは自然なこと。それを自覚し、いつでも方向を選択できるようになることが重要なのです。

 
 


執筆者:宇都出 雅巳
トレスペクト教育研究所代表。速読・記憶法や心理技法の実践体験に、認知科学の知見を取り入れた学習法を確立し、伝えている。

掲載:東商新聞 2017年4月20日号




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