２０２１年の新春を迎え謹んでお慶び申し上げます。
　皆様方におかれましては、平素より東京商工会議所品川支部の事業活動に格別なご理解・ご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。

　昨年はまさにコロナ一色の大変な年となりました。新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言、オリンピック・パラリンピックの延期、飲食業・観光業をはじめとした多くの事業所での深刻な業績不振、ＧＯＴＯキャンペーンをはじめとする緊急経済対策、諸外国における感染蔓延と海外サプライチェーンの断絶など、品川区の中小企業・小規模事業者の経営にも大きな影響を及ぼしています。さらに、年末・年始にかけて感染拡大の第３波も見られ、依然として予断を許さない状況が続いています。
　例年１月には、品川支部会員の皆様、品川区や区内関係団体の皆様が一堂に会する「新年賀詞交歓会」を開催いたしておりました。今年は規模を縮小し「２０２１年新年の集い」として開催予定でありましたが、２回目の緊急事態宣言が発令されたことを踏まえ、開催を中止させて頂くこととなりました。

　このような中、品川支部では、地域産業振興や中小企業経営支援を中心とした年次の要望とは別に、「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う品川区・中小企業対策に関する緊急要望」を昨年５月に品川区に提出し、区の補正予算に反映され、様々な産業施策が実現いたしました。また、経営が急激に悪化した事業者からの相談が急増いたしましたが、品川支部では相談窓口を継続・強化し、中小企業・小規模事業者に寄り添った支援に尽力しております。さらに、東京商工会議所本部では随時、「三村会頭と支部会長との懇談会」を開催し、コロナ禍における２３区地域経済の実態をしっかりと伝え、支部の意見を集約し、政府や東京都への積極的な要望活動につなげております。

　一方、感染の拡大に伴って、人々の生活や企業の行動様式に大きな変化が見られました。ソーシャルディスタンスの確保、テレワーク、ＷＥＢ会議の利用、移動の制限などが挙げられますが、この動きに呼応し、ＩＴ導入やＤＸ（デジタルトランスフォーメーション）が一気に加速しています。もともと品川区には、昭和の高度経済成長期に創業した情報・サービス業の事業所が多く立地し、昨今も五反田・大崎エリアを中心に増加しております。そこで品川支部では、「品川区・ＩＴ企業の横顔とＩＣＴ活用事例　―ＤＸ（デジタルトランスフォーメーション）時代のデジタル経営とは―」という事例集を発行予定です。この事例集では、品川区内の情報サービス企業の振興と、中小企業・小規模事業者のデジタル化への啓蒙推進を通じ、新たな生活様式や働き方への対応はもとより、長年の課題である中小企業・小規模事業者の生産性向上の支援につなげる所存です。

　本年も、コロナ禍による環境変化に対して中小企業・小規模事業者がしっかりと対応できるよう、品川区や本部を通じた東京都や国への政策要望を継続し、事業継続支援の強化に最優先で取り組んで参ります。そして、まずは厳しい経営環境が続く中での資金繰りや雇用維持、あるいは経営改革を迫られる企業の経営支援や相談体制を継続・強化し、引き続き経営者の皆様をしっかりと支える所存です。また、品川のブランド力強化と地域経済活性化に関しましては、品川区や地域諸団体と連携し、情報発信・普及啓発に積極的に取り組みます。さらに、コロナ禍の制約の中でも工夫を図った会員交流事業を継続するとともに、当所事業活動の基盤となる組織強化にも力を入れて参ります。

　引き続き、地域の経済の発展に向けた諸事業を積極的に展開して参る所存でございますので、会員企業、関係者の皆様の一層のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
　皆様にとりまして、本年が良き年となりますことを心よりお祈り申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。

「コロナに負けず、頑張りましょう！」

東京商工会議所品川支部
会長　　武　田　健　三