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健康経営倶楽部マガジン  ≪2020.3.3 vol.40 ~コラムで学ぶ健康づくり~≫

2020年3月3日
東京商工会議所
会員交流センター

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          ─健康経営の最新情報が満載!─
健康経営倶楽部マガジン ≪2020.3.3 vol.40 ~コラムで学ぶ健康づくり~≫
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本メールマガジンは、健康経営倶楽部マガジンに登録された方、
および、健康経営アドバイザー研修にお申込みの方に配信しています。

■■■■■■■■■■■ 東商からのお知らせ ■■■■■■■■■■■■■

○新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、開催を予定している事業を中
 止させていただくことがあります。実施する事業につきましては、咳や熱な
 ど風邪の症状がある場合には参加をお控えくださいますようお願いいたします。

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○職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止について、厚生労働省か
 ら協力の要請がありました。企業の皆様におかれましては、以下をご覧にな
 り、感染拡大防止にご協力くださいますようお願いいたします。
 https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1021388

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〇企業での感染症対策を支援します!
「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」のご案内

東京商工会議所は、従業員のリテラシー向上に向けた教材の無料提供や、BCP
策定の為のツール提供など、感染症の脅威から企業を守る為の事前対策につい
て支援に取り組んでおります。

⇒詳細・お申込みはこちら
 https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/12/

 【本プロジェクトの問い合わせ先】
   東京商工会議所 サービス・交流部 会員交流センター
   TEL:03-3283-7670

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【配信スケジュール変更のご案内】
2020年2月号より、配信スケジュールを下記の通り変更しております。
ご確認をお願い致します。

(2020年2月号~)

 ・第1火曜日 コラムで学ぶ健康づくり(本号はこちらです)
        ※健康に関するコラムのみの配信します。
         健康経営優良法人認定の評価項目の一つでもある社員への
         健康リテラシー向上に向けた情報提供ツールとして、
         社員の皆さまへ転送いただくなどご活用ください。

 ・第2、4火曜日 健康経営お役立ち情報
        ※健康経営に関するイベント・セミナー情報などを毎月2回
         に拡充して提供します。
         従来よりもさらにタイムリーに情報をお届けします。

≪コラムで学ぶ健康づくり≫--------------------------------------------

健康経営の取り組みの一環として、社員の健康リテラシー向上に活用できるよ
う、職場の中でも簡単に取り組める健康づくりに関する知識等を提供するコラ
ムを掲載しております。

<目次>
1.睡眠でパフォーマンスを向上!
  ~睡眠が企業の働き方改革・健康経営を変える~
  「心身ともに健康な働き方に向けて」
  (最終回)
                       株式会社ニューロスペース

2.ナッジで従業員の健康活動をそっと後押し
   ~行動デザインで健康経営を次のステップへ~
  「ナッジを健康経営に応用してみよう(1)」
  (第3回/全6回)
               株式会社NTTデータ経営研究所 西口 周

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1.睡眠でパフォーマンスを向上!
  ~睡眠が企業の働き方改革・健康経営を変える~
  「心身ともに健康な働き方に向けて」
  (最終回)
                       株式会社ニューロスペース
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今回が本コラムの最終回になります。これまで、様々な働き方や生活に対する
睡眠の技術を紹介してきましたが、いかがでしたか?

私は、7年前に自身の睡眠障害をきっかけに起業してこれまで多くのビジネス
パーソンの睡眠改善をサポートしてきました。その中で確信したことは、根本
的かつ本質的な睡眠改善の実現には、個人だけでなく企業の努力も不可欠であ
るということです。どれだけ正確に睡眠を計測し、ベストなソリューションを
提案したところで、勤め先の企業で、休息が配慮されないような働き方や長時
間労働などが当たり前になっていては行動習慣を変えることができず、睡眠は
改善されません。
心身ともに健康的な働き方の実現は、最適な睡眠は一人ひとり異なること、す
なわち睡眠の多様性への理解から始まります。5時間睡眠で十分な人もいれば、
8時間眠らなければならない人もいます。更に夜型、朝型も遺伝子レベルで決
まっている重要な睡眠のパーソナリティになります。つまり、もともと夜型の
人に対して早寝早起きを求めることは、相当の無理を強いており、その人の身
体と心は悲鳴をあげているかもしれません。

上記のような睡眠の多様性を尊重した上で、従業員一人ひとりが健康になり、
ハイパフォーマーになる為には、企業の対応として、リモートワーク推奨や、
フレックスタイム制、勤務間インターバル制度の導入などが考えられます。

はじめに、リモートワークは通勤時間が長い方に有効です。片道1.5時間を通
勤に費やしている方では、往復で合計3時間が移動時間に費やされています。
リモートワークを実現すれば、この時間を仕事に充てられる上、他の人から声
をかけられることが殆どない為、仕事に集中することができます。そして、睡
眠時間も確保しやすくなります。

次に、フレックスタイム制は、特に夜型の特徴を持つ人に、非常に有効です。
夜型の人は朝から頑張っても、パフォーマンスを出すことが中々難しいのです。
コアタイム(※)が11時からなどと定まっていれば、9時に起きて11時に出社
するという働き方が可能です。人それぞれが自分の身体に合った、最も成果を
出しやすい時間帯に働くという働き方の柔軟性が大切です。

※1日の労働時間の中で必ず勤務すべき時間帯のこと。

最後に、勤務間インターバル制度を紹介します。本制度は1日の業務終了後、
次の勤務までの間に明確に働かない時間を設ける取り組みですが、この時間に
必要な睡眠時間を確保することが最も大切です。
睡眠時間の確保は、一見、本制度だけで十分であるように思われるかもしれま
せんが、必ずしも十分とは言えません。なぜなら、心理的な状態が睡眠に大き
な影響を与え、ベッドに入っても仕事が気になり、そのストレスによって、な
かなか寝付けなかったり、途中で起きてしまったりするからです。つまり、休
息時間という機会を提供されたところで、会社やチーム、そして人に対する信
頼と安心がなければ、真に良い睡眠は実現できないということです。
睡眠が阻害されると、必然的に日中のパフォーマンスが低下し、ミスが増えた
り、心理的には利己的になったりします。このような状態で仕事をするとチー
ム間でトラブルが起きて、人間関係が悪化し信頼関係は低くなります。そして、
残業が増え、その結果、睡眠時間が削られ、更に仕事のパフォーマンスが低下
するといった、負のスパイラルに陥ります。

一方、良い睡眠がとれると、日中の集中力が上がり、心理的にポジティブにな
り、仕事のパフォーマンスは必然的に向上します。そして、チーム間に笑顔と
コミュニケーションが増え、明るくイキイキとした組織に生まれ変わり、その
結果、安心して十分な質の睡眠がとれるのです。

睡眠は全ての出発点でもありゴールでもあります。是非、今日から、睡眠の技
術として、一人ひとりの睡眠を尊重する文化をもつことで幸せな人生を楽しん
でいきましょう!

株式会社ニューロスペース 代表取締役社長 小林孝徳
https://www.neurospace.jp/

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2.ナッジで従業員の健康活動をそっと後押し
   ~行動デザインで健康経営を次のステップへ~
  「ナッジを健康経営に応用してみよう(1)」
  (第3回/全6回)
               株式会社NTTデータ経営研究所 西口 周
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前回は行動経済学を応用したナッジの例をご紹介しましたが、第3回と第4回
では「ナッジがどのように健康経営に活用できるのか」をご紹介したいと思い
ます。

前回までの復習ですが、ナッジとは、
・将来の利益よりも現在の利益(欲求)を優先する傾向(現在バイアス)
・情報や選択肢が多すぎると選択できなくなる傾向(選択過剰負荷)
・確実性を好んだり、損失を回避する行動をとる傾向(損失回避)
・周囲の人々の行動に合わせる傾向(同調傾向)
等の非合理的な意思決定のクセを「逆に利用した伝え方や表現、仕組みを工夫」
することで、望ましい行動へと「そっと後押し」して「行動のきっかけを与え
てあげる」手法です。

今回は、最近流行りつつある「健康ポイント」事業(※)をひと工夫して、よ
り効果的なものにするためのナッジを紹介したいと思います。

※健康活動に対しポイントを付与することでインセンティブを提供する事業

まずは、「損失回避」を生かした事例の紹介です。
住友生命の健康増進型保険「Vitality」では、最初に全員一律で保険料を割引
して、その後の健康活動への取組度合いに応じて、保険料割引率が変化します。
特に注目すべき点は、健康活動が少ないと保険料割引率が少なくなる(ブルー
ランク)ことで、「一度手に入れた割引を失いたくない」という「損失回避」
により、無意識に活動が継続できる仕組みとされています。

【住友生命「Vitality」における保険料割引の仕組み 筆者作成】
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/file/kenko_202003_NTTdata_01.pdf

これを職場での健康ポイント施策に応用した場合、「最初に一定ポイントを付
与し、取組が少ないとポイントが減る」仕組みにすれば、「損失回避」を生か
した健康活動促進の効果が期待できます。
さらに、「今参加しないと、最初のポイントはもらえませんよ」というメッセ
ージも伝えれば、「先延ばし傾向(現在バイアス)」も生かしたより効果的な
施策にもなります。

また米国の最新研究では、ウェアラブル端末を用いてナッジ的な行動を後押し
する工夫を組み入れたゲーミフィケーション(※)介入による、3年間の歩数
増加効果が検証されました(Patel MS, et al. JAMA Intern Med. 2019)。

※ ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用すること

具体的には、しっかりと目標設定を宣言させることに加えて、家族や友人によ
るサポート要素(介入1)、3人チームでの連帯責任要素(介入2)、3人組
での競争要素(介入3)を織り交ぜることで、1日1,000歩以上多く歩くように
なることが明らかになりました。特に、競争要素(介入3)は介入後1年経っ
ても歩数増加効果が一定程度残ることも示されました。

これは、ナッジの中でも「コミットメント(自身の行動宣言)」という手法に
加え、様々な要素でコミットメントをより強化させることで運動促進効果を示
した事例です。
他にも、競争させたほうが運動プログラム参加率は向上する研究成果もあり
(Zhang J, et al. Prev Med Rep. 2016)、企業内の様々な施策への応用が期
待できます。

【Patelらの研究におけるゲーミフィケーションによる歩数増加効果 筆者作成】
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/file/kenko_202003_NTTdata_02.pdf

いかがでしたでしょうか。既存の健康経営施策にアドオンすることで簡易に取
り組むことができるナッジをご紹介しました。
次回も、その他のナッジ的要素を用いた「健康経営の現場での応用方法」を引
き続きご紹介します。

株式会社NTTデータ経営研究所 ライフ・バリュー・クリエイションユニット
西口 周 博士(人間健康科学)、理学療法士
https://www.nttdata-strategy.com/


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※健康経営はNPO法人健康経営研究会の登録商標です

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≪発行≫東京商工会議所 サービス・交流部
    東京都千代田区丸の内3-2-2 丸の内二重橋ビル6F
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以上
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TEL 03-3283-7670
FAX 03-3211-8278