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サラリーマンの憩いの場 新橋駅前ビル&ニュー新橋

老朽化による再開発も検討されているが、長尾哲治ニュー新橋ビル商店連合会連合会長は「新橋らしい賑わいのある空気は残したい」という

戦後間もない頃、ニュー新橋ビルのある場所は、たくさんの店舗が密集した日本最大規模の新生マーケットだった。その後、市街地改造事業により、1971年にニュー新橋ビルが誕生した。 建設当時は全国的に見ても、商業施設が一つに集まった複合ビルは珍しかった。また、松田平田設計事務所が設計した、2~3階を覆うルーバー状のスクリーンも斬新なデザインとして注目された。地下1階から4階までが商店街で、5~9階はオフィス、10、11階は住居スペースとなっている。商店街は今も約300店舗が軒を連ね、ランチ時になると多くのサラリーマンやOLで賑わう。ビルができたばかりの頃は、店舗の多くが喫茶店と衣料品店だった。数は少なくなったものの、現在も喫茶フジ、カトレア、喫茶室ポワといった昭和の香りを感じさせる喫茶店が残り、毎日たくさんの利用客が訪れている。

チケットショップには出張で新幹線や飛行機を利用するサラリーマンがたくさん訪れる

昭和の香り漂う喫茶店もニュー新橋ビルには欠かせない

ニュー新橋ビルといえば、チケットショップの多さも見逃せない。元々、新橋には古い切手などを販売していた古物商、質屋が多かった。そうした店舗が時代を経てチケットショップに生まれ変わり、現在ビルには20軒近いチケットショップが存在している。店舗が多い分、扱うチケットの種類も豊富で、ユーザーからは「ここにくれば目当てのチケットが手に入る」という信頼を得ている。

「親しみやすさが魅力」と新橋駅前ビル管理組合法人の川田圭子理事長

新橋駅前ビルは元々「狸小路」と呼ばれる飲み屋街だった。1964年の東京オリンピックの後、市街地改造事業が行われ、1966年に竣工。地下から2階までは店舗が入り、3階から9階にはオフィスが入る。

案内用のタッチパネル。各階のお店の場所や電車への乗り換えの道を調べることができる

昭和の香り漂う喫茶店もニュー新橋ビルには欠かせない

飲食店街には、狸小路にあったお店の多くがそのまま入り、当時の雰囲気が今も残る。狸小路を再現したのは、「裏道の飲み屋感をビルに残してほしい」という飲食店からの要望に応えたものだ。また、ビルの1階入口には狸小路にちなんで狸の像が飾られている。これはビル建設時からあったものではなく、有志によってのちに建てられたもの。当初は募金箱も設置されていたが、現在は防犯上の理由から置かれていない。新橋駅前ビルは交通網と接続している関係もあり、乗り換えの際に迷い込んできてしまう人も多い。また、外国人観光客が増えたこともあって、案内用のタッチパネルを導入している。

1階のビルの入口には狸の像がある。これは新橋駅前ビルのオリジナル 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの後には再開発の可能性もあるが、新橋駅前ビル管理組合法人の川田圭子理事長は、「今の雰囲気は残したい。落ち着ける空気感がこのビルの魅力だと思います」という。時代の変化とともに新しい店舗が増える一方で、ビルの歴史とともに歩んできた伝統の店舗も存在する。新橋駅前ビルは、50年前と変わらず、多くの人々に癒しを与え続けている。

新橋駅前ビル

ビルの歴史とともに歩む名店

ビーフン東 BE-FUN AZUMA

Map >> 14

ビーフン東は新橋駅前ビルの始まりと時を同じく、この場所でお店をスタートしている。その歴史はさらに古く、初代が石川県で日本料理店を営んでいたことに端を発し、明治時代中頃には台湾に渡り、日本海軍指定の料亭として営業。第二次大戦中には台湾に加え、マニラにも支店を出していた。終戦後、大阪に「台湾料理 東」を開店し、その後、新橋にビーフン東をオープン。皇室、文豪、政財界など各界の著名人に愛されてきた。

材料や国民の嗜好の変化により、作り方や味に多少の変化はあるものの、油の使い方や調理法など、基本的な味は変えずに伝統の味を守り続けている。そのビーフンの見た目はそうめんのように白くて細いのが特徴で、お湯で戻すのではなくスープで戻している。メニューは種類が豊富。五目、蟹玉、あんかけなどの定番メニューから、牡蠣と卵と春菊のビーフン、タンタン汁ビーフンなど、季節のメニューも楽しむことができる。それぞれ炒める焼きビーフンと、ラーメンのようにスープに浸した汁ビーフンがある。ビーフン味に作られているので、お好みでにんにく醬油をかけて味の変化を楽しむのがオススメだ。ビーフンと並ぶ人気メニューがちまき。中には豚の角煮やうずらの卵が入っていてボリューム満点。冷凍ものは使わず、中の具から一つずつ毎日お店で調理されている。 ランチ時はいつも行列で、その味は多くのサラリーマンを虜にしている。その証拠に、定年で退職した後も、ビーフンやちまきを食べるために、この場所を訪れる人も多いのだという。

SHOP DATA

【住所】 東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館2F
【TEL】 03-3571-6078
【営業時間】 [月~金]ランチ:11:30~13:45
ディナー:17:00~20:30、
[土]11:30~13:15
【定休日】 日曜、祝祭日
【HP】 http://www.bi-fun.jp/
【交通】 JR・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線「新橋」駅から徒歩1分

人気メニューの蟹玉焼きビーフン

「東」のマークは初代がデザインしたもの。お二人が手にしているのが原版

汁ビーフンがあるのもビーフン東ならでは。こちらは五目汁ビーフン

広々とした店内がランチ時はいっぱいとなって外に行列ができる

ボリューム満点のちまきも人気が高い
(写真は撮影用で半分に切ったもの)

ニュー新橋ビル

45年の歴史を持つジーンズ専門店

ジーンズサンショウ・ブロンクス JEANS SANSHO BRONX

Map >> 14

ジーンズサンショウ・ブロンクスは、ニュー新橋ビルがオープンした1972年から店を構えている、老舗のジーンズショップだ。名称はジーンズを中心に扱う「サンショウ」とビンテージのアロハなどを販売している「ブロンクス」の二店舗を合わせた呼び名。店主の辺見勲一さんは、務めていた商社を退社した後、バックパッカーとしてアメリカに渡り、当初はセブンイレブンのようなコンビニエンスストアの展開を考えていた。しかし、当時は1ドル360円の時代で日本円が弱く、契約はまとまらなかった。そこで安値で仕入れが可能なジーンズ専門店に切り替えたことが始まりだった。店名はゼロからの出発ということで、「イチ、ニ、サン」の「サン」と商売の「商」を合わせて「サンショウ」。後発の「ブロンクス」は、ニューヨークのサウスブロンクスからとったもので、「ヨネックス」「イナックス」など、語尾に「クス」がつく会社が成功していたことにあやかったのだという。お店の作りや商品を置く場所は創業時から変わらない。「リーバイスの501はここ」、「エドウィンの503はここ」と、コンビニの商品の場所が決まっているように、決まった場所に同じ商品があるようにしている。辺見さんいわく、「セブンイレブン方式」だ。 お客様に商品をゆっくり見てもらうために、基本的に過剰な接客はしない。ただし、ジーンズに関することを聞かれたら何でも答えるというスタンスだ。ジーンズの歴史を知り尽くした店主のもと、自分に一番合ったジーンズを手に入れてみてはいかが?

SHOP DATA

【住所】 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル2F
【TEL】 03-3580-7085
【営業時間】 [月~土]10:30~19:30
【定休日】 日曜、祝祭日
【交通】 JR「新橋」駅から徒歩1分

「東」のマークは初代がデザインしたしたもの。お二人が手にしているのが原版

汁ビーフンがあるのもビーフン東ならでは。こちらは五目汁ビーフン

広々とした店内がランチ時はいっぱいとなって外に行列ができる

ボリューム満点のちまきも人気が高い
(写真は撮影用で半分に切ったもの)

ニュー新橋ビル

栄養たっぷりのジュースでサラリーマンを元気づける

オザワフルーツ OZAWA FRUITS

仕事を頑張る新橋のサラリーマンやOLに元気を与える一杯を提供してくれるのが、このオザワフルーツだ。元々は果物屋で、2000年頃からジューススタンドのスタイルを取っている。店頭にはたくさんの色鮮やかな果物が並び、ジュースのメニューは常時30種類以上用意。春はイチゴ、夏はスイカなど、季節のメニューも登場する。シーズンによって売り上げに差はあるものの、1日200~300杯飲まれている。人気の秘密は栄養価の高さだ。低回転のジューサーで材料に熱を加えず、強い圧力をかけてつぶす、コールドプレスジュースであることがその理由。通常のジューサーだと高速回転しながら材料を刻むため、その過程で酵素が壊れて栄養が失われてしまう。しかし、このやり方だと酵素が生きているため、通常のジューサーで作るジュースの約4倍の栄養価が残るという。大根、セロリ、小松菜、ブロッコリーなど野菜の種類も豊富で、疲労回復や二日酔い、冷え性、便秘など、期待する効果に応じてメニューを選ぶこともできる。リンゴやレモンもたっぷり使用しているため、口当たりがよく飲みやすい。「仕事で疲れていたり、栄養が偏っていたりという人も多いと思うので体に良いものを提供したいです」と店主の荒井一成さん。体に良いものという基本線は大事にしつつ、新メニューの開発にも余念がない。現在は「奇跡の野菜」と呼ばれるビーツを使ったメニューを研究中だ。オザワフルーツは、一杯のジュースで新橋で働く人々に元気を与え続けている。

SHOP DATA

【住所】 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル1F
【TEL】 03-3501-3704
【営業時間】 [月~金]8:00~20:00、
[土]9:00~18:00
【定休日】 日曜、祝祭日
【交通】 JR「新橋」駅から徒歩1分

季節のものも含めてたくさんの種類のジュースを提供している

栄養たっぷりのコールドプレスジュースを味わえる。青臭さなどはまったくなく、口当たりがよくて飲みやすい

新しいジュースの開発にも余念がない。ビーツを使ったジュースを検討しているという

フルーツジュースは旬の果物がオススメ。
春はイチゴ、夏はスイカの人気が高い

新橋駅前ビル

細かな気配りでくつろげるアットホームなお店

牧の家 MAKINOYA

Map >> 16

牧の家は「お客様の9割はリピーター」というくらい、一度来たらまた来たくなるお店だ。女将さんのご主人が有名な柔道家である岩釣兼生さんということもあって、多くの著名人も来店するが、「暖簾をくぐった瞬間に社会的地位は関係なく一人のお客様」というスタンスで接客している。大企業の社長でも、超有名人であっても特別扱いはしない。サラリーマンのお客様が多く、仕事のことを忘れられる空間を提供することを心がけている。こうした接客によって、お店にいる人みんなが家族のようなアットホームな雰囲気が生まれているのだ。人気のメニューは牛肉としらたきの炒め物。こちらは1個200円の埼玉県深谷市産の絶品卵とセットで、すき焼き風にして食べるのがオススメ。絶品卵は箸で黄身がつかめるくらい濃厚な味わいだ。この卵が余った場合はサービスのご飯をもらって、卵かけご飯にすると、一度で二度美味しい。同じく人気の餃子は、定番メニューではなく、予約限定メニューとなっている。皮とひき肉にこだわりがあるため、予約が入った時のみ、特定のお店から材料を仕入れているのだ。元々は余った食材を使って作ったスタッフ用のまかない料理だったが、それを見たお客様から食べたいというリクエストがあって、メニューに加わったものだ。 お店の営業は平日のみ。土日や祝日は新橋の客層が変わるため営業はしない。牧の家は、あくまでもサラリーマンのための店として、癒しを与え続けている。

SHOP DATA

【住所】 東京都港区新橋2-21-1 新橋駅前ビル2号館B1F
【TEL】 03-3571-1695
【営業時間】 [月~金]17:00~23:00
【定休日】 土曜、日曜、祝祭日
【交通】 JR・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線「新橋」駅から徒歩1分

人気メニューの餃子は元々まかないで、余った野菜を使って作っていたもの。注文には事前の予約が必要だ

「接客は常に100満点でなければいけない」という言葉通り、お店はアットホームな明るさに満ちている

女将さんのご主人が有名な柔道家・岩釣兼生さんということもあって、店内にはオリンピック選手をはじめとした著名人のサインが並ぶ

焼酎とホッピーがそれぞれ別に出てきて、自分の好みの濃さに調整できるようになっている

牛肉としらたきの炒め物は、1個200円の絶品卵とセットで食す。卵が残ったらご飯をもらって卵かけごはんにできる