プレスリリースサポート 最終回

最終回 ワイヤーサービスとは

最終回の今号では、プレスリリースを効率的にマスメディアに配信するワイヤーサービスについて紹介します。

ワイヤーサービスとは、企業・団体のプレスリリースを、あらかじめ登録されたプレスに同報し、同時にウェブサイトに公開するサービスです。

これまでプレスリリースは、印刷・封入・発送など、アナログの工程を経て発信されてきましたが、デジタルに置き換えることで作業が効率化され、同時に速報性、公共性、保存性、加工性をもったツールとして生まれ変わりました。

また、日本のメディア業界は人事異動が激しく、企業の広報活動の基礎となるメディア・ネットワークをリスト化しても、そのリストはすぐに古くなってしまいます。ワイヤーサービスを利用すれば、常に最新のリストでリリースを配信することができます。

さらに、海外に情報発信したい企業にとって、ワイヤーサービスはぜひとも検討するべきツールです。欧米の主要な報道機関は、送信者の信頼性を重視するため、広報通信社のワイヤーサービスを経由したプレスリリースしか受け付けないところが増えています。アメリカ証券取引委員会が定めた情報開示規則(レギュレーションFD)により、プレスリリース配信はワイヤーサービスを使わざるを得ない状況になっています。

日本においては、ワイヤーサービスは「報道機関への配信」と「ウェブサイトへの掲載」の二つのサービスに分化しています。前者の場合、受け取る報道機関には編集権がありますから、そのリリースを記事にするかどうか、どんな記事にするかは、メディア側の判断です。一方後者は、ワイヤーサービス会社とサイト側との提携により、自動的にリリースのデータを供給し、原則としてすべてのリリースを掲載するサービスです。提携サイトは大手のポータルサイトやメディア系のサイトであるため、リンク先としての評価が高く、結果として自社サイトのSEO(検索エンジン最適化)につながると言われており、注目を集めています。

最後に、ワイヤーサービスはエコ・ツールとしても注目を浴びています。従来のプレスリリースをワイヤーに置き換えると、紙の使用量を大幅に削減できます。広報活動の領域で実施できる温暖化対策のツールとして、導入を検討する企業が増えているのです。

受け取るメディア側の利便性に加え、環境保護の視点からも、より多くの企業・団体がワイヤーサービスを導入し、わが国の広報標準インフラとなる日も近いと思います。

(共同通信PRワイヤー 楠田和男氏)

【東商新聞9月20日号にも掲載】