東京商工会議所(山口信夫会頭)は、4月4日から8日に開催した「新入社員研修」に参加した中堅・中小企業345社の新入社員835名を対象に行った意識調査結果を別紙のとおりまとめた(有効回答826名、98.9%)。
この調査は、当所が毎年実施しているもので、企業の新卒者の採用意欲に回復傾向が見られるものの、依然として厳しい競争の就職戦線を体験してきた新入社員の就職・仕事・生活観などを聞いた。調査結果の主な点は次のとおり。
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○会社で働く目的は、「社会人としての自立」がトップで、以下順に「収入の確保」「自己キャリアの開発」「夢の実現」となっており、社会・会社への貢献よりも自己実現を図りたいと考える人が多い。特に、大学院卒の人は、専門性を活かして興味ある分野の仕事をしたいと希望している。
○仕事やプライベートでの興味・関心は、「仕事がうまくできるか」「上司・先輩との人間関係」の順に多く、職場での「仕事」「人間関係」への不安を持っていることが顕著に表れている。「能力アップなど自分のキャリア形成」については高学歴者ほどその傾向が強い。
○仕事をする上で身につけたい能力は、多い順に「対人対応力」「コミュニケーション能力」「創造力」「決断力」となっている。特に、「コミュニケーション能力」は昨年に比べ増加しており、人との意思疎通が苦手だと考える人が一段と多くなっている。
○理想の社長を有名人から選ぶと、「堀江貴文」がトップ。第2位は「星野仙一」、第3位は「北野武」で、選んだ理由としては、「強力なリーダーシップ・行動力」「独創性・先見性」などを挙げた人が多く、社員を自ら統率し新規事業などに積極的に取り組む活動的な経営者像を思い描いている。
○ライブドアによるニッポン放送株の買い集めについては、ライブドアとフジテレビ両社のどちらかを支持するというよりも、「事業提携の可能性の模索」や「企業買収への法整備やルールづくりの必要性」を指摘する人が多かった。
○政治・社会の出来事については、「地震などの防災対策」「景気・経済の動向」「凶悪犯罪の多発」などの順で関心が高く、小泉首相が推進する「郵政民営化」については、15項目ある選択肢のなかで第13位と関心が低かった。 |
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≪平成17年度 中堅・中小企業新入社員の意識調査結果≫
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| <調査の概要> |
| 【調査対象】 |
東京商工会議所が開催した社員研修を受講した中堅・中小企業
345社の新入社員 835名 |
| 【調査期間】 |
平成17年4月4日〜8日 |
| 【有効回答】 |
男性 480名・女性 346名
計 826名(有効回答率 98.9%) |
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| 対象企業345社の内訳 |
| 業種別 |
資本金別 |
| 建設業 |
35社
(10.2%) |
1千万円以下 |
74社
(21.4%) |
| 不動産業 |
5社
(1.4%) |
3千万円以下 |
76社
(22.0%) |
| 製造業 |
69社
(20%) |
5千万円以下 |
54社
(15.7%) |
| 運輸・通信業 |
11社
(3.2%) |
1億円以下 |
66社
(19.2%) |
| 卸・小売業 |
89社
(25.8%) |
5億円以下 |
47社
(13.6%) |
| サービス業 |
125社
(36.2%) |
5億円超 |
16社
(4.6%) |
| 金融業 |
0社
(0%) |
その他 |
12社
(3.5%) |
| その他 |
11社
(3.2%) |
計 |
345社
(100.0%) |
| 計 |
345社
(100.0%) |
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| 新入社員の学歴分布 |
| 学歴 |
男性 |
女性 |
計 |
| 大学院卒 |
39人
(8.1%)
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12人
(3.5%) |
51人
(6.2%) |
| 大学卒 |
277人
(57.7%) |
196人
(56.6%) |
473人
(57.3%) |
| 短大卒 |
3人
(0.6%) |
36人
(10.4%) |
39人
(4.7%) |
| 専門学校卒 |
71人
(14.8%) |
46人
(13.3%) |
117人
(14.2%) |
| 高専卒 |
16人
(3.3%) |
1人
(0.3%) |
17人
(2.1%) |
| 高校卒 |
68人
(14.2%) |
50人
(14.5%) |
118人
(14.3%) |
| その他 |
6人
(1.3%) |
5人
(1.4%) |
11人
(1.3%) |
| 合計 |
480人
(100.0%) |
346人
(100.0%) |
826人
(100.0%) |
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| 【アンケ−ト調査結果概要】 |
| 1.就職観・仕事・生活観(設問事項=5問) |
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(問1)入社した会社を選んだ理由(複数回答)
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| 「自分の能力活かせるかが決め手。仕事志向派が主流に」 |
○入社理由では、「自分の能力・個性が活かせそう」(54.2%)が最も多く、これに「仕事の内容がおもしろそう」(48.1%)、「職場の雰囲気がよかった」(44.4%)が続いている。
ここ数年来、この順位に変化はなく、社名、待遇など企業のブランド志向から、自分にあった職場環境で能力を発揮したいと考える仕事志向の人が多く、この傾向が近年、定着してきている。 |
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(問2)今の会社でいつまで働きたいか
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| 「転職・独立派が36%超と引き続き高い」 |
○全体では約3割超が「とくに考えていない」としながらも、「チャンスがあれば転職」(25.5%)、「将来は独立」(11.0%)と、転職・独立を望む人が3割半ばを超える。反面、「定年まで」が昨年度に比べ1.5ポイント増え約2割を占める。企業の新卒者等の採用意欲に回復傾向が見られるものの、再就職となると条件面などで制約される部分もあることから、安定志向を望む人も一定の割合を占めている。
○女性では、「チャンスがあれば転職」(24.0%)、「定年まで」(11.3%)など何らかの形で仕事を続けたいと考える人が4割超(42.8%)と、女性のキャリア志向は定着してきている。一方で、「とくに考えていない」が約4割を占め、キャリア志向はあるものの、とりあえず内定をもらった企業に就職した人などが一定数を占めている。 |
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(問3)あなたにとって働く目的は
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| 「社会貢献よりも、自立・自己実現派が多数占める」 |
| ○社会人としての自立」(32.1%)が最も多く、これに「安定した収入の確保」(18.9%)、「自己キャリアの開発」(13.8%)、「自分の夢の実現」(13.3%)が続いており、社会(会社)への貢献は7.5%と低い。大学院卒の人は昨年度、「社会人としての自立」「自己キャリアの開発」が上位を占めたのに対し、今年度は「自分の夢の実現」(23.5%)、「専門的知識・技術等の取得」(19.6%)の2項目で4割を超え、大学院で学んだ専門的な知識を活かしたいという傾向がうかがえる。 |
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(問4)仕事・プライベートで最も興味や関心のあることは
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| 「仕事・職場における人間関係に対する不安が上位に」 |
| ○昨年と同様、「仕事がうまくできるかどうか」(32.0%)と、「上司や先輩・同僚との人間関係」(17.9%)が上位を占め、新入社員としての職場生活を控え、職場での「仕事」と「人間関係」に対する不安を持っていることが顕著に表れている。また、「能力アップなど自分のキャリア形成」が総合で第3位の15.0%を占め、会社での昇進や将来の転職などに備えるため、キャリア形成を挙げた人の割合が多くなっている。この傾向は高卒に比べ、大学卒・大学院卒など学歴が高くなるにつれ強くなっている。 |
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(問5)仕事をする上で身に付けたい能力は(複数回答)
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| 「新入社員は、対人対応力や、人との意思疎通が苦手」 |
○「対人対応力」(41.6%)が昨年に続いて第1位。これに続いて「コミュニケーション能力」(24.5%)、「創造力」(24.2%)、「決断力」(21.3%)となっている。特に、昨年度4位だった「コミュニケーション能力」を身につけたい人の割合が昨年に比べ、約4ポイント増加し、第2位となっている。人との意思疎通が苦手だと考える人が一段と多くなっていることがうかがえる。
○男性は「対人対応力」(38.1%)に続いて、「創造力」(27.9%)、「決断力」(24.0%)を挙げているのに対し、女性では「対人対応力」に続いて、「コミュニケーション能力」(29.5%)、「ビジネスマナー」(22.3%)を挙げている。この点から、女性の方が基本的な人との意思疎通についての能力や、社会人としてのビジネスマナーについての関心が高いことがうかがえる。 |
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| 2.理想の社長像(設問事項=1問) |
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(問6)理想の社長像とその理由
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| 「マスコミに、自分の主義・主張を克明にあらわす話題の人がトップ」 |
| 【総 合】 |
| 1. |
堀江 貴文 |
36人
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| 2. |
星野 仙一 |
32人
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| 3. |
北野 武 |
29人
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| 4. |
イチロー |
27人
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| 5. |
坂本 竜馬 |
19人
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| 【男性回答】 |
| 1. |
堀江 貴文 |
28人
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| 2. |
星野 仙一 |
22人
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| 3. |
イチロー |
18人
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| 4. |
北野 武 |
17人
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| 5. |
坂本 竜馬 |
13人
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| 【女性回答】 |
| 1. |
北野 武 |
12人
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| 2. |
星野 仙一 |
10人
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| 3. |
イチロー |
9人
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中田 英寿 |
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| 4. |
堀江 貴文 |
8人 |
| 5. |
松井 秀喜 |
7人 |
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森田 一義(タモリ) |
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| 《選んだ主な理由》 |
| 1. |
堀江 貴文 |
新しいことへの挑戦や行動力がある
先見性・創造力がある |
| 2. |
星野 仙一 |
強力なリーダーシップや統率力がある
人を引きつける魅力がある |
| 3. |
北野 武 |
ユニークな発想・独創性がある
才能とリーダーシップがある |
| 4. |
イチロー |
努力家で向上心を持っている 有言実行
信念(自分の考え)を持っている |
| 5. |
坂本 竜馬 |
行動力やリーダーシップを持つ
先見性・独創性を持っている |
(敬称略) |
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| 3.その他(設問事項=3問) |
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(問7)フリーターの増加について(複数回答)
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| 「フリーター問題、肯定と否定に二分化」 |
○全体では、明確な理由もなくフリーターになるのはよくない」(44.3%)が最も多く、次いで「本人が自分の意思でフリーターを選んだのだから、とやかく言うべきではない」(37.5%)、「希望する仕事が見つかるまで、定職につかないという考えは理解できる」(33.8%)の順になっている。昨年度1位の「希望する仕事が見つからなくても、とりあえず就職すべきだ」は今年度4位になっている。
○また、上記のように「フリーターになるのはよくない」、「とやかく言うべきではない」、「定職につかないという考えは理解できる」の3つの意見が上位を占めてはいるものの、「国や自治体は職業能力開発などの支援を行い、事態を打開すべきだ」(16.8%)のほか、「教育機関はもっと就職支援を行なうべきだ」(15.6%)や、「企業側はフリーターを積極的に活用すべきだ」(15.0%)といった公的支援や、企業側の努力を求める意見が、割合としては少ないが一定数を占めている。 |
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| (問8)ライブドアによるニッポン放送株の買い集めについて |
| 「事業提携の模索や、企業買収のルールづくりを求める声が多数占める」 |
○ 「お互いにもっと話し合って、事業提携の可能性を模索するべきだ」(35.7%)が最も多く、次いで「日本でも企業買収の早急な法制やルールづくりが必要だ」(20.8%)、「合法的でとくに問題はないので、ライブドア側を応援したい」(14.9%)の順になっている。
○ フジテレビ、ライブドアのどちらかを支持する人よりも、両社の協力・提携の模索や、敵対的な企業買収へのルールづくりの必要性を指摘している人の割合が多い。また、ライブドアとフジテレビのどちらかを支援するという観点では、ライブドアを支持する人の割合(選択項目では「ライブドア側を応援したい」「敵対的買収は緊張感をもたらすので、歓迎したい」)がフジテレビを支持する人の割合よりも、多くなっている。 |
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| (問9)政治・社会の出来事で最も関心のあること(複数回答) |
| 「防災対策、景気・経済動向に主な関心。郵政民営化は低い」 |
○昨年の新潟と今年福岡で起きた地震による被害の様子が大きく報道された影響か「地震などの防災対策」(44.9%)が最も多く、次いで「景気や経済の動向」(34.0%)、「凶悪犯罪の多発」(25.5%)「年金改革」(25.4%)となっている。いずれも毎日マスメディアで大きくとりあげられている項目であり、新入社員の関心の高さがうかがえる。
○小泉首相が構造改革の本丸と位置付けている「郵政民営化」は、選択肢15項目中の13位(10.9%)で、新入社員の関心は低い。 |
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以上
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